全国の飲食企業と地方行政との健全な関係構築を目指す一般社団法人日本飲食業経営審議会は飲食店の値上げに対して消費者の理解を促すポスターを制作し、全国の飲食店に配布したと、10月3日、告知した。

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日本飲食業経営審議会によると、原材料費や水光熱費の高騰、人手不足による人件費の増加、コロナ下の外食7割経済など、今、飲食企業は非常に厳しい状況におかれている。さらに10月から、新たに6500品目以上の食品や飲料が値上げされ、最低賃金も引き上げられ、飲食店経営にとって深刻さは深まっている。

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大手チェーンの飲食企業各社は、コスト高を受けて値上げを発表している一方、外食市場の約8割以上を占める中小・個店の飲食店は、客離れを懸念して、ほとんどが値上げに踏み切れていない。通常時でさえ利益率は5%前後と低い水準にあり、値上げをしなければ、営業しながらも赤字に陥る可能性すらあり、飲食店経営の限界にきているのが実情だという。

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飲食店の収益構造(中小企業〜個店の場合)

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日本飲食業経営審議会では、このような厳しい状況下において外食産業がこれからも持続していくためにも、大手チェーン企業だけではなく、中小企業・個店こそ「値上げ」は避けられないとして、消費者の理解を求めるポスターを制作・配布し、店頭掲示を呼びかけている。

日本飲食業経営審議会の高橋英樹代表理事は、「値上げに踏み切る勇気を。売上至上主義脱却して、利益を見直す機会に」と題し、飲食企業に向けて以下のコメントを発信している。

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〈「値上げに踏み切る勇気を。売上至上主義脱却して、利益を見直す機会に」日本飲食業経営審議会・高橋英樹代表理事〉

外食産業は、多くの人手を必要とする労働集約型で、利益率の低いビジネスです。中小企業・個店の場合、通常時でさえその利益率は5%前後と言われ、コストの6割以上を原材料費と人件費が占めています。果たしてこの収益構造は適正なものなのでしょうか?「原材料費は全体の30%」が適切な基準と言えるのでしょうか?世界規模のパンデミックや原材料費などの価格高騰といった前例のない厳しい状況におかれた今こそ、見直す良い機会です。原価から売価を決める売上至上主義から脱却し、みなさんが誇りをもって提供している「価値」から売価を決め、適正な利益を確保するべきです。

コロナ下、飲食業界は様々な問題に直面し、看過してきた課題が浮き彫りになりました。これまで経済や政治に対して、業界として働きかけてこなかったという反省もあります。

ですが、外食に魅せられて、そこに多くの人が集い、市場規模は18兆円を超え、飲食業従事者は、全労働人口の7%を占めます。外食産業と言われるようになり50年。人々のコミュニケーションの潤滑油として、飲食店は人生を豊かにするかけがえのない価値を提供してきました。世界に誇れる日本の食文化の一端を担う外食産業。その灯を消さないためにも、勇気をもって「値上げ」に踏み切り、お客様に丁寧に理解を求めていくべき時が、今きているのではないでしょうか。

(コメント全文を引用)