大東製糖種子島は7月から、種子島のサトウキビで造るアグリコールラム「ARCABUZ(アーキバス)」(700ml・想定価格5,000円)を発売する。

同品はことし5月に発表されたラムの国際品評会「World Rum Awards」で、「World’s Best Agricole &Sugarcane Juice 」金賞、「BestBottle Design」最高賞を受賞。「IWCS」でもシルバーを受賞した。

6月17日にはプレス向け発表会を同社が経営する「Farm to Me SUGAR FACTORY」で開催。同社代表取締役社長木村成克氏が説明した。

〈木村成克代表取締役社長 説明〉

当社は1952年創業。日本にある製糖会社で数少ない単独資本の会社だ。含蜜糖では国内トップシェアを誇り、2001年から生産する「素焚糖」も看板商品となった。

サトウキビは伐採後、すぐ劣化するため、多くが畑で加工されて運ばれる。サトウキビから直接砂糖を作りたいと千葉で栽培も手掛けたが収穫に繋がらず、2018年に種子島の製糖工場を購入した。日本には砂糖の原料産地を守る法律があり、粗糖以外への加工には多くのハードルがあったが、自治体と立地協定を締結。ラム事業を通して、地元へも貢献したい。

ラム酒に使うサトウキビはすべて自社で栽培。製糖用サトウキビは収量を重視して品種改良されているが、おいしいラムを造るためにさまざまな品種を比較し、ショ糖濃度上昇が早い園芸品種「黒街道」を選んだ。育てるのは大変で、収量も低いが、絞るとメロンのように清冽な香りがある。

フレッシュなサトウキビをそのまま加工するため、畑の横に蒸溜所を造った。当社では、収穫後24時間以内に搾汁し、手作業で選別。高糖度で鮮度の良い一番搾りのみを使用する。また、自然と人間の共生を念頭に、循環型生産を取り入れた。

〈自社で厳選・栽培した高品質のサトウキビを使用、国際品評会でも高評価〉

昨年4月には製造免許を取得。蒸溜に関しては、同じ鹿児島県の小正醸造や、銀座のラムバー「Lamp」オーナー中山篤志氏らにサポートを仰ぎ、商品の世界観を伝えるボトルとロゴは、世界的インダストリアルデザイナー奥山清行氏に依頼。発売前にファーストバッチを国際品評会に出品したところ、味もボトルも高い評価をいただけた。

本当においしいサトウキビを使うことで、一口で素材の良さが伝わるラムに仕上がったと思う。今後は、さまざまな樽で長期熟成のポテンシャルも探りたい。そして、「アーキバス」を通して、世界に種子島のテロワールを伝えると共に、地域おこしにも貢献したい。

なお、ブランド名「アーキバス」はポルトガル語で火縄銃の意味。「火縄銃の伝来が時代の幕開けのきっかけとなったように、種子島がラム酒で世界に知られる新しい時代を願い命名した」(同氏)。

年間生産量は約1万リットル。発表会では、「Bar 内藤」オーナーバーテンダー内藤茂敏氏が、同じサトウキビで造った糖蜜を使った「モヒート」や、種子島産タンカンを使ったカクテルなどを披露した。

〈酒類飲料日報2024年6月21日付〉