東京都立荻窪高校(杉並区)の公式YouTubeチャンネルに、出生時の性別と異なる性で生きるトランスジェンダーの卒業生が、在学中の生活や思い出を語る動画が公開された。思春期に自らの性に違和感を持ったり、気付いたりする生徒は少なくないそうで、企画した瓦田尚教諭は「卒業生の生の声は、在校生や受験生にとって心強いだろう」と話す。

物心ついた時から”女の子” 水泳授業が嫌で

 出演したのは昨春の卒業生。生まれた時の性別は男子だが、物心ついた時から「女の子」として生きてきた。家族や周囲も理解があり「男とか、女とかじゃなくて、好きなようにしてきた」と振り返る。

 中学校では「男だから」と言われ、女子バスケットボール部に入れなかった。中学校の水泳の授業は、男子と一緒で嫌だった。

 水泳の授業がないという理由で荻窪高校へ。同校は定時制で制服もない。

「困った時や不便を感じた時は、言うべき」

 動画(約15分)は、卒業生が瓦田教諭の質問に答える形で進む。部活動では男女関係なくバスケットボールに励んだことや、女子生徒と体育の授業を受けたことを語る。

瓦田教諭(右)の質問に答え学校生活について語る卒業生(都立荻窪高校の公式YouTubeチャンネルより)


 「自分を認めてくれる人、理解してくれる人がいた」という。ただ、着替えは更衣室ではなくトイレを使った。「困った時や不便を感じた時は、先生や親に言うべきだと思う」。卒業後は、美容師を目指して学校に通っている。

 瓦田教諭は「近年、LGBTQ(性的少数者)やそうかもしれない生徒が増え、配慮を求める声もある。性の悩みを抱える人にもぜひ見てほしい」と語った。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年6月15日]