新型コロナウイルスの影響が長引く中、約3.5億円の休眠預金を活用し、経済的に困窮する家庭の子どもを支援する団体に事業資金を提供する取り組みが始まった。学習支援や居場所づくりのほか、ふだんはできない体験事業を実施したいと考えている団体が対象。10月18日まで公募し、審査をへて11月下旬に助成団体を決定する。


学習だけでなく、体験の機会を

 助成を実施するのは、クラウドファンディングサービスの「READYFOR」と、子どもの貧困問題に取り組むNPO法人キッズドア。キッズドアが今春、困窮世帯を対象に行った全国調査では、「コロナの影響で子どもの学力が悪くなった」と答えた世帯は46.5%に上った。学校に行きづらいと感じている子が増えているほか、オンライン学習の環境が整わず苦労している家庭もある。地域のイベントなどがコロナで中止され、子どもたちが楽しむ機会も失われている。キッズドアの渡辺由美子理事長は「無料学習教室など勉強を教える支援も大切だが、子どもが楽しいと感じたり、その後の学びに向かう気持ちが育まれるような旅行や体験などの機会をつくってあげることもとても大事」と指摘する。

 コロナ禍での生活となってすでに1年半を過ぎ、「今こそ、奪われてしまった体験や学びを提供してあげたい」と渡辺さん。学習支援や居場所・相談事業、体験事業などを包括的に実施して子どもたちを支えていくため、10年以上取引のない預金を社会課題の解決に生かす休眠預金制度を活用する。READYFORとキッズドアは、各実施団体に資金を分配する団体に採択された。

小さな団体にはノウハウも提供

 予定では、2000万〜5000万円を助成する大規模枠に5〜10団体を選ぶほか、500万〜1000万円の小中規模枠で、5〜10団体に助成する。運営基盤の弱い小中団体向けには、資金助成だけでなく、事業計画の立て方や実施のノウハウのほか、持続的な資金調達の方策なども両団体が提供する。

 READYFORの市川衛さんは「資金面が壁となり、やりたいけれどできていないことがある、という小さな団体にも届けたい。ぜひ応募を」と呼び掛けている。

  公募要領や申請方法は「深刻化する『コロナ学習格差』緊急支援事業」のページで案内している。