パリオリンピック開幕まで1カ月を切りました。金メダル獲得に向けてトレーニングに励む、高知市出身のレスリング日本代表清岡幸大郎選手に密着しました。

高知市出身の清岡幸大郎選手・23歳。レスリング男子65キロ級の日本代表です。

兵庫の三恵海運に所属する清岡選手は、神奈川にある母校でレスリング日本一の強豪、日本体育大学を拠点にパリオリンピックに向けてトレーニングに励んでいます。

「心境はもう、そこに緊張とか気負いっていうのは全くなくて、自分が夢を実現させるまで、どんどん迫ってきているなというか。だからもうワクワク、ドキドキしてるっていう気持ちの方が大きいです」と語る清岡幸大郎選手。
レスリングを始めたのは4歳の時。高知レスリングクラブの桜井優史さんの指導の下、インターハイ優勝など数々のタイトルを獲得。
4月にキルギスで行われたアジア選手権準決勝で勝利し、パリオリンピック出場を決めました。

清岡選手は「やっぱりちゃんと目標を持って、それを必ず達成すると信じて努力をしてくれば、夢や目標は達成できるもんなんだなと感じている」と振り返ります。

「組手であったりカウンターであったり、タックルのアタックであったり、結構全体的に平均してかなり高いレベルの技術を持っているので、どうやってあの強い選手からポイントを取ろうか、毎日試行錯誤しながら練習してます」と話すのは、練習のパートナーで、先輩の樋口黎選手。リオオリンピックの銀メダリストで、清岡選手とともにパリ大会に出場します。

今の課題は、攻撃を仕掛けた際、隙を突かれポイントを奪われないこと。
オリンピックを目前にし、レスリングにかける思いがますます高まっています。

(清岡幸大郎選手)
「発見の連続というか、突き詰めて追求しきったって思っても、まだ全然できてなかったりするので、そこの奥深さっていうのはなかなか伝わりづらい部分ではあると思うんですけど、そこが自分の中での楽しさの一部ですし、本当にきついことでも、それが実際に自分の成長につながることだって考えると楽しみながらできる」

清岡選手は大学近くのマンションで同僚の高橋夢大選手と2人暮らし。
学生時代は大学の食堂を利用していましたが、今は専ら自炊です。

「自分の好きなものを考えて、これ食べたいなって思ったら作って食べられるんで」と話す清岡幸大郎選手は、日頃からタンパク質を多くとることを意識していて、この日のメニューは高知の祖母から送ってもらった七面鳥の炒め物。
料理のモットーは…「料理で疲れないようにする?そこが一番ですかね」とのこと。
完成した料理をテーブルへ運び、「うん!うまいっす」

おしゃれにも関心が高い清岡選手。
お気に入りの服を見せてもらいました。

(清岡幸大郎選手)
「自分の好きなラッパーがいて、そのラッパーがよく着ているブランドっていうか」

大事な試合の前は、買い物をして、自分に発破をかけるそうで、「やっぱ服とか買ってお金使ったら、気持ちがあがるというか、また頑張ろうってなるんで」と清岡選手は語ります。

6月2日には高知市でオリンピックに向けての壮行会が開かれました。
高知南高校の同級生で、ともにパリ大会出場を決めた桜井つぐみ選手も一緒です。
二人は幼いころから切磋琢磨し合った特別な関係。
清岡選手は「やっぱり1番のライバルでもありますし、彼女が結果を残せば、自分はすごく悔しくて、悔しいから頑張れるし、逆もそうで、諦めない要因になったというか、(オリンピック出場に)欠かせない存在だったなっていうふうに思います。今回も先に彼女の方が試合をするので、また多分、先に優勝を決めて、僕にプレッシャーをかけてくれると思うので、それの力も使って、最後優勝って言う形を残せたら
最高かなと思います」

高知で行われた壮行会でタレントの豊ノ島さんが公約したこと、それが19日に実現しました。

友人でレスリング金メダリストの吉田沙保里さんを誘い、清岡選手と桜井選手を食事会に招いたのです。後輩2人への激励です。
Xには豊ノ島さんからメッセージが
「パリで大暴れしてこい!帰ってきたらまた、メシ行こう!」

オリンピックではこれまでのレスリング人生全てをかけて戦うという清岡選手。
家族や後輩たち応援してくれるみんなの声援を力にパリへと乗り込みます。

(レスリング日本代表清岡幸大郎選手)
「パリオリンピックでの主人公になるっていう目標持って、一番最後の日に衝撃を残して優勝してきたいと思うので、高知の力、フランスのパリに向けて力を送ってくれるとうれしいです」