桂浜水族館はことし創立93年、ついに”デジタル化”に乗り出しました。ただ…活用の仕方はやっぱりユニークです。

川辺世里奈アナウンサー:
「桂浜水族館のホームページ。こちらは館内図なんですが、かかれているのは生き物がいる場所ではなく、飼育員さんがいる場所!?本館となっていますね。実際に行ってみましょう!」

アイコンが表示されている場所に到着するとー

川辺アナ:「さあ、どうでしょう…本当にいらっしゃいました!こんにちは」
飼育員:「こんにちは」
川辺アナ:「桂浜水族館、また新しい取り組みを始めたんですね?」
飼育員:「”デジタル化”をついに始めました」

浜辺にたたずむ創立93年の桂浜水族館。手書きのポップで魚のおいしい食べ方を紹介するなどユニークで昔懐かしい水族館が…デジタル化?

桂浜水族館事務局・長谷川 皓さん:
「水族館のスタッフの仕事は生き物の住みかの掃除とか、水質管理とか、幅広く多岐に渡るんですね。その中でデジタルでできる部分はデジタルにして、人の手をかける必要がある所は人の手をかけて、そのバランスを大事にしていきたいと思っています」

桂浜水族館はおよそ200種類4000の生き物を10人ほどの飼育員で世話しています。業務負担を減らすため、県の補助金を活用しおよそ800万円かけて、デジタル技術を導入。6月から本格利用しています。

桂浜水族館事務局・長谷川 皓さん
「水槽の横に小さな四角いカメラがついているんですけど、この前を魚が通るたびに魚の長さ・魚長や高さ・魚高を測っています。水槽にいっぱい魚がいると、同じ魚を記録しちゃったり、手間になっていたんですよね。それを自動化することで、かなり負担軽減つながっています」

手書きで紙に記録していた時間を短縮できます。

タブレット端末を使って遠隔でエサをあげることも。画面をタップするとー水槽の上のエサ箱が回転し給餌できる仕組みです。

このシステムを使ってお客さんにも楽しんでもらおうと桂浜水族館が考えたのが「オンライン餌やり」。水族館のホームーページから専用サイト「ハマスイ+」を開くと飼育員と同じように遠隔でエサやりができます。

川辺アナウンサー:
「わ〜一気に魚がエサを食べにきました。見ているだけではなくて自分でエサをあげることでより魚に愛着が湧きますね」
長谷川さん:
「水族館を身近に感じてもらって次は水族館行ってみようかと思っていただけたらうれしいです」

事務所のパソコンに表示されていたのは水族館を上から見た写真です。四角いアイコンは飼育員がどこで作業しているかを表しています。

飼育員は位置情報が分かる機械を身に着けていて、館内に設置されたセンサーの前を通るとアイコンが移動する仕組み。誰がどの作業にどれくらい時間をかけているかを把握し、作業効率アップを目指します。このシステムを”桂浜水族館らしく”活用すると…

桂浜水族館事務局・長谷川 皓さん
「お客さんに楽しんでいただける画面として『会える水族館』というのがあります。実際に、今スタッフがどこで働いているのかというのをリアルタイムで見ることができるようになっています」

全国に”ファン”がいる桂浜水族館の飼育員たち。館内ですぐに見つけることができ家や職場でも飼育員たちに思いをはせることができます。

桂浜水族館魚類担当・藤村誠一さん:
「ちょっと悪いことできなくなりましたね…こっそりどこかで休んだりとかも。今、誠一さんいるんだと理解してもらって、お客さん見た時に(生き物の)解説もしやすくなるかもしれないので非常にいいと思います」

業務負担の軽減や効率化で空いた時間は、お客さんとのコミュニケーションやイベントの準備にあてたいとしています。

桂浜水族館事務局・長谷川 皓さん:
「水族館のモットーとして”なんか変わるで桂浜水族館”というのをやっているので、昔の良さを残しつつ、新しいものを取り入れながら、どんどん変わってより良い水族館を目指していきたいと思います」

デジタル化でさらに身近に感じられるようになった桂浜水族館。館内でも家でも生き物や飼育員の”推し活”をしてみては?