現地時間6月4日、5日目を迎えた『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』
舞台のエルサルバドルは前日よりサイズダウンしたとはいえ、公式6-8ftレンジの「エル・スンサル」、「ラ・ボカナ」共に世界トップを決めるのにふさわしい波が続き、ラ・ボカナでメンズのR4、エル・スンサルでウィメンズのリパチャージR3が進行。
その後、メンズのリパチャージのR2からR4までがラ・ボカナとエル・スンサルで進行した。

波乗りジャパンが国別トップに立つ!

(デフェンディングチャンピオンのカノア)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

この日の日本代表、波乗りジャパンで出番があったのは五十嵐カノア、稲葉玲王、脇田泰地。

R4のH1でポルトガルのフレデリコ・モライス、カナダのコディ・ヤングなどと戦った稲葉玲王はヒート中盤にバックハンドで7.17を出してリズムをつかむと終了間際に6.00を重ねてトップ通過。ヒート開始直前までサーフィンしていたカノアのライトが良いというアドバイスに従って見事に波乗りジャパン最初のR5進出を決めた。

(稲葉玲王)
Photo: ISA/Sean Evans

(稲葉玲王)
Photo: ISA/Sean Evans

(とにかく暑いエルサルバドル)
Photo: ISA/Pablo Franco

次のヒートに登場した脇田泰地はブラジルのガブリエル・メディナ、ニュージーランドのビリー・ステアマンドなどと対戦。このヒートはビリーが主導権を握って進行。稲葉玲王と同じグーフィーフッターの脇田泰地は同じ戦略でスコアを重ね、終了間際にはレフトで6.70を出すが、最後はガブリエルが2位に浮上。
脇田泰地は3位でリパチャージ行きとなった。

(脇田泰地)
Photo: ISA/Sean Evans

(脇田泰地)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

(脇田泰地)
Photo: ISA/Sean Evans

南アフリカのジョーディ・スミス、フランスのマキシム・フスノット、カウリ・ヴァーストと最もタイトなH6にクレジットされたカノアはライトの波にフォーカスして7ポイント台を2本重ねて圧勝。
WSGのディフェンディングチャンピオンでもあるカノアはCT選手以外も入るこの舞台での戦いを知り尽くしており、今後も期待できそう。

(五十嵐カノア)
Photo: ISA/Pablo Jimenez


大会5日目となり、徐々に絞られてきた国別ランキング。
R5に進出した12名の内、日本のみが2名残っている。
日本はブラジル、フランス、イタリア、ペルーと並びトップに立っている。

オリンピアンの活躍

(ニュージーランドのビリー・ステアマンド)
Photo: ISA/Sean Evans

メンズのR4では銀メダリストの五十嵐カノアを始め、サーフィン史上初となった東京オリンピックに出場した選手の活躍が目立った。

ニュージーランドのビリー・ステアマンドはこの日最初のエクセレントスコア8.00を出し、ペルーのルーカ・メシナスはパワフルなバックハンドで8.33をスコアして注目を集めていた。ルーカのヒートではインドネシアの和井田理央も順調にラウンドアップ。
もう一人のペルーのオリンピアン、ミゲル・トゥデラも勝ち上がった一方、イタリアのレオナルド・フィオラヴァンティはリパチャージ行きになった。

ウィメンズのリパチャージラウンドでもペルーのダニエラ・ローザス、イスラエルのアナット・レリオールが勝ち進んでいる。

一方、ドイツのレオン・グラッツァー、モロッコのラジム・ブヒアム、ポルトガルのヨランダ・ホプキンスの3名はオリンピアンとして初の脱落者となった。

(和井田理央)
Photo: ISA/Sean Evans

(ペルーのルーカ・メシナス)
Photo: ISA/Sean Evans

JJFがリパチャージを勝ち進む

(楽しみながら確実に勝ち上がっているJJF)
Photo: ISA/Sean Evans

アメリカ代表として参加しているジョン・ジョン・フローレンスは大会2日目に敗れ、この日はリパチャージラウンドのR2からR4までを戦い、共に1位通過を果たしている。
リパチャージのR2では最後まで追い込まれていたものの、終了間際に8.00を出すマジックで逆転に成功した。

「最後の波が入った時は残り1分くらいだったかな。2本目のスコアが足りなかったんだ。このヒートではベストを尽くしてサーフィンをしたかった。波に乗った時はスープの下でショルダーもなかったけど、ラインの少し先にエッジを見つけたんだ。ハイスコアを出す唯一の方法はエアーだと思い、それが上手くいったのさ。ISAのイベント形式は世界中の人々が参加できる機会が与えられている。自分が参加して最も感じたことは、世界中、そして、想像もしなかったような国からの参加者だね。本当に素晴らしいよ。みんなが興奮していて、良いエネルギーを感じる。楽しんででいるよ」

(JJF)
Photo: ISA/Pablo Franco

2024年パリオリンピックの大陸別のシナリオが見えてくる

(アフリカ大陸の候補、サラ・バウム)
Photo: ISA/Jersson Barboza

『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』ではアフリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニアの4大陸からそれぞれ最高位の選手の男女が直接2024年パリオリンピックの出場権を獲得するが、この日はいくつかのシナリオが見えてきた。

まず、オセアニアのウィメンズではニュージーランドのペイジ・ハレブが有力候補になってきた。
チームメイトのサフィ・ヴェットも残っているが、リパチャージラウンドの道のりは長く、ペイジの方が有利と言えるだろう。

アフリカのウィメンズでは南アフリカのサラ・バウム、ゾーイ・ステインがリパチャージラウンドを進み、同等のチャンスがある。

「クオリファイの件は確かに考えているわ。ここではよく話題にされるので、それを認識しようとして同時に考えないようにもしているの。自分自身と自分のサーフィンに集中したいからね。より多くのヒートこなすことで勢いを増すと感じる。長い道のりだけど、逆にそう考えれば上手くやっていけるでしょう」 とサラはコメントを残している。

スケジュール

(ウクライナのヴァレリー・モナスティルスキー)
Photo: ISA/Pablo Franco

コンテスト6日目の6月5日は朝8時に開始予定。
日本時間同日の23時。

ラ・ボカナでウィメンズのR4。
メンズのリパチャージのR5からR7まで進行。

エル・スンサルではウィメンズのリパチャージがR4からR7まで進行予定。

ウィメンズのR4、H5で松田詩野はフランスのジョアン・ディファイ、ニカラグアのカンデラリア・レサノと対戦する。
ウィメンズのリパチャージR4、H1に前田マヒナ。H4に都筑有夢路。

メンズのリパチャージR6、脇田泰地はH2でポルトガルのフレデリコ・モライスともう1枠の選手と対戦する。

五十嵐カノア、稲葉玲王は出番がなく、心強いサポートメンバーに回ることになる。

ライブ配信はISA大会特設ページで!

2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games
https://isasurf.org/event/2023-world-surfing-games/

(THE SURF NEWS編集部)