元サッカー日本女子代表でタレントの丸山桂里奈さん(41)と、元サッカー日本代表で指導者の本並健治さん(59)夫婦。2023年2月に生まれた長女は1歳2カ月を過ぎ、その体や心の成長ぶりに驚いてしまうほどなのだそう。5月12日は母の日でしたが、丸山さんはこの5月に第16回ベストマザー賞2024のスポーツ部門を受賞しました。
連載「GK夫とFW妻の育児奮闘記」第15回です。

理想は蝶野正洋さんみたいに強そうなお母さん

先日、ベストマザー賞のスポーツ部門を受賞しました。
子育てをしている毎日では、自分のことを「お母さんだな」って実感することはあんまりないんです。でも今回の受賞ですごく多くの人から反響をもらって「そうだ、私はお母さんだったな」って改めて感じました。友人たちから「ニュース見たよ」と連絡をもらったり、番組の共演者からお手紙をもらったり、仕事先ですれ違う人からも「おめでとう」と声をかけられるなど、反響がすごかったです。

私は娘を産んで親になったけど、「娘と一緒に成長している」というほうが実感に近いです。母親としてなんでも教えてあげて娘を育てると言うよりは、娘から教えてもらうほうが多いような感覚。

「お母さんだからしっかりしないと」とか、「お母さんだから子どもにいろいろ教えないと」とか、そういう意見もあるかもしれないけど、でも私はいろんなお母さんがいていいと思います。私は私なりのお母さんでいいのかな、って。

「ベストマザー賞」をいただいたけど、私は親になって、まだ1年2カ月。まだまだベテランママでもないし、子育てのことについてはSNSでほかのママたちに教えてもらうことのほうが多いです。めざすお母さんになっていく道の途中です。今回受賞して、理想のお母さんに近づけるようにこれからも頑張ろうと思いました。

ちなみに私が思う理想のお母さんは、プロレスラーの蝶野正洋さん。あ、蝶野さんはお父さんですけど、でもあんなふうに見た目が強そうで、いつも子どもを守ってあげられるようなお母さんをめざしたいです。

フルーツをぽいっと床に投げる娘に、ついイラッ! としてしまう

1歳2カ月を過ぎて娘は自己主張もどんどん強くなっています。困っているのは離乳食です。前はなんでもよく食べたのに、最近は食べたものをべーっと出して遊んでしまったり、用意したフルーツをつかんでぽいっと床に落としたりするんです。
自分としては娘のために一生懸命離乳食を作ってるから、娘がそういう行動をしたときに自分に余裕がないと、ついイライラしちゃいます。「もう食べなくていいよ」「ごちそうさまだね」と言って片づけることも。

それでもできるだけ「ちゃんと食べようね」と言うように気をつけてはいました。でも先日、あまりにもイライラして、机を「バンッ!」とたたき「なんでそういうことするの!」と怒ってしまったんです。そしたら娘は私の顔を見て「うわーん!」て泣いちゃって。こんなふうに大人の都合で怒ったらダメなんだろうなと反省しました。とはいえ、やっぱり心の余裕や時間がない中で離乳食をあげているときには、娘がちっとも食べなかったり、食べ物を床に投げたりすると、めっちゃストレスがたまります。

だけど、そんなふうにイライラしちゃうのは、もしかしたら大人の都合で食べさせようとしているからかもしれません。あるとき、私が娘に離乳食をあげる様子を見ていた母から「まだぷくぷくちゃんの口に入ってるから、なくなってからあげたほうがいいよ」と指摘されました。それで、娘のペースで食べさせてあげられていなかったんだな、ってハッとしました。そういえば、娘はばあばと一緒の食事だとちゃんと食べるんです。娘は私のことを「この人はいつもバタバタしてるな、そんなにせかさないでよ」って思ってるかもしれないなぁ。

気づかないうちに、大人の言うことがわかるように


娘はだいぶ大人の言うことをわかるようになってきたみたいです。ある日、おばあちゃん(私の母)に「ぷくぷくちゃんは『ゴミを捨ててきて』って言ったら捨てるよ」と言われて、うそ〜! って信じられませんでした。

でも本並さんが娘に「ゴミ捨ててきて」と、娘が食べたお菓子の袋を渡したら、ゴミ箱まで歩いていって、ポイッと捨てたんです。びっくりしました! こんなに言うことをわかっているなら、もっといろいろ教えてあげるべきだったな、ってちょっと反省しました。

つかんだりすくったり・・・水遊びが大好き!


娘は水遊びが大好きです。リビングに置いてある犬の水のお皿をひっくりかえして、周辺をぬらして遊んでいてびっくりしたことも。おふろでの水遊びも大好きです。洗い場に子ども用のバスタブを置いていて、そこに娘を入れているんですけど、水遊びが好きすぎて、「もう出るよ〜」と出そうとすると、びっくりするくらい大声で泣きます。

この前家族で公園に遊びに行ったときに、池のない噴水というか、平らな地面から水がふき出すような噴水がありました。きっと夏になったら子どもたちが遊ぶんだろうな、という感じの噴水です。
それを見つけた娘が、けっこうな水圧で水が噴き出しているところを目がけて突進していったんです! 着替えも持っていなかったし、真夏じゃないからびしょびしょになったら大変! と思って寸前で止めたんですけど、危なかった!

娘は、地面の穴からふき出す水が、目に見えるのにつかむことができない、というのが不思議だったみたいです。ふき出る水に向かって何度もつかもうとして手を差し出して閉じたり開いたり、不思議そうな顔をしたり、両手で水をすくってみたりと、何回も何回も試して確認していました。とっても好奇心旺盛な娘です。

【今月の本並さん】とにかくよく遊ぶ!娘の成長の早さに驚き


仕事が終わったあとや、妻とのスケジュールの合間の時間が合うときには、できるだけ家族3人で外に出かけるようにしています。
最近は気候がよくなったので、よくお散歩や公園に出かけます。公園ではとにかくよく動く娘。1歳2カ月だけど、もう走ってるんじゃ? と思うくらいぐんぐん歩いて、いろんなものに興味を示しています。

公園では、僕と追いかけっこをしたり、遊具で遊んだり、いつも持ち歩いているアンパンマンのボールで遊んだりしています。娘は登れるものがあったらなんでもよじ登ってしまうから、本当に目が離せません。娘の早すぎる成長に驚きつつも、かわいい娘とこんなふうに一緒に遊べる時間は、とてもいいものですね。

お話・写真提供/丸山桂里奈さん、本並健治さん 聞き手/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

子育てしていると「お母さんなんだから」と頑張りすぎてつらくなってしまうこともありますが、丸山さんの「私は私なりのお母さんでいい」という言葉に、安心と勇気をもらえる気がします。

●記事の内容は2024年5月の情報であり、現在と異なる場合があります。

丸山桂里奈さん(まるやまかりな)

PROFILE
1983年3月26日生まれ、東京都出身。第4回女子W杯、アテネ五輪、北京五輪、第6回女子W杯(優勝)、ロンドン五輪(準優勝)で日本代表として活躍。2005年Lリーグ(現なでしこリーグ)新人王、2011年国民栄誉賞を受賞。現在はバラエティ番組、スポーツ番組などで活躍。2023年2月に第1子の女の子を出産。

本並健治さん(ほんなみけんじ)

PROFILE
1964年6月23日生まれ、大阪府出身。1986年松下電器産業サッカー部に入団。ガンバ大阪、ヴェルディ川崎で活躍し、日本代表に選出される。2002年に現役を引退後、2012年にはなでしこプレミアリーグ「スペランツアFC大阪高槻」の監督に就任し、指導者として活躍。2016年退任し、現在はサッカー解説者、サッカー指導者、タレント活動など幅広く活躍。