3月も中旬に入り、車をお持ちの方はそろそろ夏タイヤへの交換時期が気になってきたかもしれません。ただ、記録的に暖かかった去年の3月とは異なり、今年の3月の宮城県内は雪の降る日も多くなっています。

宮城では4月に雪も

こうしたこともあってか、13日にtbcのXで行ったアンケート結果を見てみると、すでに夏タイヤに交換したという方は全体の4%ほどにとどまっていて、慎重に考えている方が多いようです。

TBC

そして宮城県内は例年、4月にも雪が降ることがあるんです。

2022年の4月30日には、南岸低気圧の影響で、前日から北部を中心に本格的な雪となり、大崎市古川ではツツジの花に雪が積もりました。

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栗原市駒ノ湯では積雪4センチ(観測史上最も遅い積雪)、石巻では5センチの積雪を観測しました。石巻市湊にある零羊崎神社ではこの日、春紅葉の赤と、若葉の新緑、そして真っ白な雪と不思議な光景が見られました。

いつ交換すると良い?

このようにゴールデンウィークに雪が降り積もるということもごく稀にあったりしますので、例えばタクシー運転手ですとか、運送会社のドライバーなど、万が一の状況でも必ず仕事で車を運転しなければいけないという方は少なくとも4月いっぱいは冬タイヤのままでいた方が良いと思います。

ところで、秋から冬にかけての「冬タイヤに履き替える」時期に参考になるデータとして、初雪や初氷の平年の日付があります。仙台では初雪の平年が11月26日、初氷の平年が11月23日となっていますので、そのあたりで冬タイヤに履き替える方も多いと思います。

一方でその反対、シーズンの最後に雪が降る日や最後に氷が張る日のデータも気象庁ではとっていて、仙台の場合は雪の最終日の平年が4月7日、氷が張る最終日の平年が4月3日となっています。ですので、日常的に車を使う一般のドライバーの方は、4月の上旬くらいまではタイヤ交換は待っていた方が安心かと思います。

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また、14日の朝に発表された長期予報の専門的な資料を見ると、4月に入ると気温は平年よりも高くなっていく予想となっています。さらに14日の午後に仙台管区気象台から発表された1か月予報によると、3月30日から4月12日にかけての気温は「平年並みか高い」傾向となっています。こうしたことから、今年に関しては上記の平年の"終雪"や"終氷"よりも大幅に遅れて積雪や凍結となる可能性は低いとみています。

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一方、こう思った方もいるかもしれません。

「例えば5月頃まで冬タイヤを履き続ければ、万が一の積雪や凍結にも安心なのでは?」

冬タイヤ履きっぱなしは危険!

ただ、実は冬タイヤは「雨」にはあまり強くないんです。
水で濡れた路面で、夏タイヤと冬タイヤの車をともに時速100キロで走らせてブレーキをかけた場合の実験では、冬タイヤの方が夏タイヤよりも、止まれるまでの距離、いわゆる制動距離が伸びてしまっています。冬タイヤは、夏タイヤに比べてゴムがやわらかいことや、タイヤと路面の間の水を排出する力が低いことから、雨の日に滑りやすい傾向があるんですね。

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ということで、凍結や積雪の心配が全くなくなった後も冬タイヤのまま、というのはあまり好ましくはなく、天気予報を見ながら適切な時期に夏タイヤに履き替えるようにしていただければと思います。