仙台市内で半世紀以上営業を続けてきた駄菓子店が、5月6日で閉店します。売り場に立ち続けた「名物おばちゃん」の思いを取材しました。

仙台市太白区長町のフラワー通りにある「ハトヤ」。

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駄菓子や懐かしいおもちゃなど、合わせて120種類、5000点以上の商品が並びます。ひとりで店を切り盛りするのは、「ハトヤのおばちゃん」こと斉藤ノブ子さん(79)です。

斉藤ノブ子さん(79):
「ここに来ると昔話になるんだよ、みんな。ここでこうやったああやったって」

斉藤ノブ子さん(79)

「ハトヤ」は1968年に斉藤さんが夫の文雄さんと開業、1973年に今の場所に移転しました。

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34年前に文雄さんが亡くなった後もひとりで営業を続けてきましたが、自分の年齢を考え、5月6日に閉店することを決めました。

斉藤ノブ子さん(79):
「まだ続けたい気持ちは十分あるんですけど、やめるにも元気なうちにやめないと、私ももう年ですので。脳が動くうちにやめる決意もしなければいけないなという気持ち」

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斉藤さんの心をずっと支えてきたのは店に来る子どもたちです。

斉藤ノブ子さん(79):
「私は子どもがいないんですけど、子どものように慕ってくれる人が大勢いるので、その年代年代に子どもたちがいる」

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店には、閉店を知った人が次々と訪れます。

斉藤ノブ子さん(79):
「もうおばちゃんが年なもんで。お父さんは子どもの時来ていた?」
客:
「来てましたよ、小学生の時」

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訪れた人は口々に閉店を惜しみます。

訪れた人:
「寂しいですね。昔ながらの愛されていたお店がなくなってしまうのは、寂しい気持ちです」
「スーパーとかコンビニは、小さなおかしとか昔のお菓子とかないので。駄菓子屋だったら小さいお菓子とかいろいろあったので、それがいい」

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約35年ぶりに訪れた人:
「まず、お疲れ様ありがとうというのと、あとは何らかの形でお店なくても息子や友達と話したときに“ハトヤってあったよね”と話せたらいいなと思います」

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斉藤ノブ子さん(79)「寂しい?これからわくんじゃないですか?今はまだお客さんが来てくれているから、あんまり感じていないんですよね。今から、楽しみ半分、不安半分」

斉藤ノブ子さん

いつも笑顔の「ハトヤのおばちゃん」、3日後に、半世紀以上続いた店のシャッターを閉めます。