江戸時代に造られた宮城県大崎市鳴子温泉の水利施設が歴史的価値を持つ農業用水利施設「世界かんがい施設遺産」の国内候補に選ばれました。今後、国際かんがい排水委員会で審査が行われ、9月に登録地が発表されます。

世界かんがい施設遺産の国内候補地に選ばれたのは、大崎市鳴子温泉の水利施設「南原穴堰」です。

TBC

南原穴堰は、農業用水の確保が難しかった山間部の南原地区で、江戸時代、急傾斜の山間部に手作業で掘られた全長1880メートルの水路です。

TBC

このうち、およそ1300メートルが地中の道、「ずい道」で、3年かけて造られたとされています。地元住民が代々大切に管理していて、南原地区の農業用水を確保する貴重な水路として活用されています。

伊藤康志大崎市長:
「次の時代に向けてさらに飛躍、発展していく起爆剤として活用していきたい」

伊藤康志大崎市長

世界かんがい施設遺産は、歴史的価値のある水利施設を国際かんがい排水委員会が登録するものです。今回「南原穴堰」を含め国内3か所が候補に選ばれていて、9月にオーストラリアのシドニーで開催される国際執行理事会で登録地が発表されます。

去年までに、全国51施設が認定されていて、県内では、2018年に大崎市岩出山の「内川」が登録されています。