24日から海洋放出がはじまった福島第一原子力発電所の処理水。東京電力は、トリチウム以外の放射性物質は国の規制基準を満たすまで浄化されていると安全性を強調しています。福島第一原発の廃炉状況を説明・展示している福島県にある施設では、この処理水をどのように扱っているのか、現地を取材しました。

福島第一原発からおよそ9キロ。福島県富岡町にある東京電力廃炉資料館です。原発作業員が着用する装備や建屋の模型などが展示されています。

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さらに、資料館では「ALPS(アルプス)処理水」についても詳しく説明しています。

東京電力 黛知彦リスクコミュニケーター:
「ALPSは『フィルター設備』という風に考えていい。ただしトリチウムというのは、ほぼ水と同じ性質を持っているので、トリチウムをフィルター設備で取り除くのは難しい。ALPSではトリチウムは除去できない」

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ALPSは多核種除去設備の通称で、放射性物質を浄化する「フィルター設備」のことで、フィルターで浄化された水がALPS処理水と呼ばれるものです。

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原子炉建屋のなかの汚染水に含まれる62種類の放射性物質を活性炭などの吸着剤や薬剤で国の規制基準を満たすまで浄化すると東京電力は説明しています。

さらに処理水を大量の海水で薄め、ALPSで取り除くことのできないトリチウムの濃度も国の規制基準の40分の1にするということです。

放出は、海底トンネルをつくり、海岸からおよそ1キロの沖合で行なわています。

東京電力 黛知彦リスクコミュニケーター:
「(海岸から)約1キロ先までトンネルが掘られていまして、14メートルほどの海底に岩盤があるが、そこをくりぬいて放水口というものが設置されている。上に向かってゆっくりと希釈された処理水が放出される。迅速なモニタリングをして、その結果を広く正確に公表していくということが重要だと考えている」

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では、風評被害については、どのように対応すると考えているのでしょうか。

東京電力 黛知彦リスクコミュニケーター:
「風評(被害)が発生した場合は、適切に賠償することをしっかりやっていきたいと考えている」