長年にわたり同一職業に従事し卓越した技能で業界の振興に貢献した人を「宮城の名工」として称える表彰式が県庁で30日、行われました。

今年、宮城県卓越技能者、宮城の名工には、仙台市泉区の造園師・戸ケ瀬康平さん(67)、青葉区の日本料理調理人・相田賢治さん(49)、若林区の和服仕立職・千坂寿光さん(46)ら9人が選ばれ、表彰状が贈られました。

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反物の柄を合わせ、印をつけた部分にまっすぐにハサミを入れていきます。間違いは許されない作業です。

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千坂寿光さん:
「着物は地の目という横に走っている目がありますので、それ通りに切るというのは結構難しいです」

「宮城の名工」に選ばれた千坂寿光さん。和服の裁縫、和裁の職人です。

千坂寿光さん:
「本当にありがたいことだなと思う。色んな人に感謝」

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仙台市出身の千坂さんは、和裁の修行のため、16歳のときに上京。以来30年に渡って和裁に携わり、現在はイベントなどで子どもたちに和裁の魅力を伝える活動も行っています。

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千坂寿光さん:
「針と糸さえあれば、大体の物は作れると言っても良い。寸法を直して親子2代、3代で着て、ほつれたりボロボロになったりすると座布団のカバーにしたり、それでもボロボロになったら、はたきにしたり、最後には自然に還る。とても良いなと思う」

現在46歳の千坂さん。業界では「若手」で、和裁の技術を継承する若い世代がいないことに危機感を覚えています。

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千坂寿光さん:
「自分が今46歳で若手と言われていることに問題がある。30代、20代、常に新しい人がいてこそ業界は活性化するのかなと思う」

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それでも千坂さんは自分の技術を人の役に立てるため、これからも精進を続けたいと話します。

千坂寿光さん:
「周りの人が着てくれるからこの仕事が続けられる。自分の技術を必要としてくれる人のためにこれからも頑張っていきたい」

また、きょうは、次世代を担う40歳未満の若手技能者11人が県青年技能者として表彰されました。