甲子園を沸かせプロへの道を切り開いた高校生、仙台育英・山田脩也内野手。地元・宮城で成長を続け、走攻守に才能を開花させました。夏の甲子園優勝後、チームのキャプテンとしての重圧に苦しみました。その時、須江航監督は…。日本一になった阪神タイガース入団を前に、山田選手の心境、決意を聞きました。

甲子園男・山田脩也内野手

夏の甲子園、2年連続の決勝進出を果たしたキャプテンのポリシーは何だったのか。

仙台育英 山田脩也内野手:
「中身が本当に大事なので、そこで成長できるかできないか、次のステージで活躍できるかできないかが決まってくるので」

TBC

来年から阪神タイガースへ、今度はプロとして甲子園を沸かせます。

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プロの原点…

仙台育英学園高校・多賀城校舎のグラウンド。山田脩也選手にとって、この場所は高校生活の全てが詰まった場所、そしてこの先始まるプロ生活の原点でもあります。

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仙台育英・山田脩也内野手:
「自分はずっと試合をここでやっていたので、いい結果も悪い結果ももちろんそうですし、ここで泣いたというか悔しい思いをずっとしてきたのでそういう思い出のある場所かなと思います。
あそこに書いているんですけれど『地域の皆さまと感動を分かち合う』という意味を込めて、いろんな人に応援されるようなチームになろうというふうに自分たちはずっと活動しているので、自分を中心に全員がしっかりと取り組めるように自分が求めながら、応援されるようなチームを目指してやってきました」

キャプテンの苦悩

今年の夏、仙台育英は2年連続の全国制覇にあと一歩まで迫りました。

決勝の慶応戦で2−8の敗戦。願いは届かずも、その底力に日本中が驚きキャプテンとしてチームをけん引した山田選手に大きな拍手が送られました。

「日本一を、同じ景色を見たかったんですけど…」試合終了後、山田選手は涙ながらに語りました。

仙台育英・山田脩也内野手:
「キャプテンという立場になってから周りをしっかりみないといけないし、自分も結果を出さないといけないし、両方どっちも一緒にうまくいくというのがなかなかできなかったので、その難しさというのはこの一年間を通してすごく感じました」

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両立を断念しようと思ったことはなかったのでしょうか。

仙台育英・山田脩也内野手:
「ありました。キャプテンを辞めさせてほしいと言ったんですけど。去年の10から11月ぐらいですかね。秋ごろ、本当に苦しくて」

TBC

全国王者のプライドを胸に船出した新チーム、そのキャプテンの重責は重く、甲子園優勝後に迎えた秋季高校野球宮城県大会では、決勝でライバル・東北高校に敗れるなど屈辱も経験しました。

仙台育英・山田脩也内野手:
「でも、須江先生と話し合って、『やっぱりこのチームを勝たせるにはお前がキャプテンをやらないといけない』と言っていただきましたし、このチームを変えるのは自分しかいないと自分の中でも思っていたので」

TBC

須江航監督の教え

仙台育英・山田脩也内野手:
「自分で成長していくしかないので。言われてやるというよりも(須江監督からは)『結果を教えてくれ』みたいな。『自分たちで考えて結果を教えてくれ』という感じでしたね」

TBC

須江監督のもとで学んだことは何だったのでしょうか。

仙台育英・山田脩也内野手:
「『負けが自分たちを成長させてくれる』というように自分たちは思っていたので。(今年の夏の甲子園)決勝が一番わかりやすいんですけど。負けていましたが、こんな2年連続で決勝に行くなんて奇跡じゃないですか。それを楽しむしかないなって。自分たちもそうでしたし、須江先生からもそう言われたので。結果負けてしまいましたけど、ある意味あの試合が3年間で一番、試合時間が長かったというか、楽しい試合だったかなと思います」

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連覇よりも価値のある経験。監督は拍手を送りました。

仙台育英・山田脩也内野手:
「(試合の)中身が本当に大事なので。そこで成長できるかできないか、次のステージで活躍できるかできないかというのが決まってくるので、須江先生がよく言うように『人生は敗者復活戦』だなという風に思いますね」

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阪神から3位指名

10月26日、迎えたプロ野球ドラフト会議。吉報は阪神タイガースから届き、ドラフト3位指名を受けました。

仙台育英 須江航監督:
「今日から彼は”仙台育英”の山田脩也ではなくて、”阪神タイガース”の山田脩也にこれからなっていきますから。高校生みたいなことをしていたら活躍できないから、ドラフト3位に見合うようなパフォーマンスをださないといけない」

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自分を育んだ甲子園が本拠地に。来年からは関西での新生活を迎えます。

山田選手、関西には何を持っていくのでしょうか。

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仙台育英・山田脩也内野手:
「抱き枕があれば大丈夫。安心感があるので。サメ(の抱き枕)あるじゃないですか、人形みたいな。それをUFOキャッチャーとかで取って使ったりしてます。安心感がありますよね」

5歳のころに野球を始め、仙台広瀬リトルでその楽しさを知った少年は、地元・宮城でまっすぐに成長し、いまプロへの扉を開こうとしています。

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仙台育英・山田脩也内野手:
「不安というか、逆にどんな壁が待っているんだろうなというふうに、いろんな壁に立ち向かう準備は今からしていこうと思っているので、それは楽しみですね。早ければ一年でクビになるかもしれないので、そういう覚悟というか、本当に厳しい世界なので一日も手を抜けない。最大限のパフォーマンスを出せるようにやっていくということと、あとは自分が目指しているゴールデングラブ賞とか首位打者とかそういうタイトルをとれるように日々努力して積み重ねて頑張っていこうと思っています」

【tbcテレビ ヒーローインタビューより】