世界最大級となるモーターショーが北京できょう、開幕しました。会場で存在感を示しているのは、アメリカの制裁対象となっている通信機器大手「ファーウェイ」です。

4年ぶりとなった、世界最大規模の自動車展示会「北京モーターショー」。各メーカーとも、展示の主力は中国で急速に普及が進むEV=電気自動車です。

今回、特に力が入っているのが…

AITOの担当者
「これからお見せするのは、スマホと車のシステムの連動です」

スマホのコンテンツがそのまま車内で使えるものや、スマホのボタン1つで駐車できるような車など、スマホと連動するEV、“EVのスマホ化”です。

そんな中、ひと際大きな存在感を放っていたのが“あの企業”です。

記者
「こちらはきょう発表されたEVの最新モデルになります。たくさんのメディアが取材に来ていますが、実はこの車、開発したのはスマートフォンで知られているファーウェイなんです」

アメリカの制裁対象となっている、中国の通信機器大手「ファーウェイ」です。

車本体の開発だけではありません。

記者
「こちらはAITOというメーカーの車なんですが、実はこの車に使われているシステムはファーウェイが開発したものなんです」

「ファーウェイ」はスマホ開発で培われた技術を存分に活かし、独自のシステムやディスプレイといった部品を展開。それらを採用するメーカーが相次いでいるのです。

「ファーウェイ」はアメリカによる制裁によって、主力としていたスマホ事業が一時低迷。苦境に陥りましたが、生き残り戦略としてEV業界に参入。そんな中、“EVのスマホ化”が進み、「ファーウェイ」の技術へのニーズと合致したのです。

ホンダも今回、新しいEVモデルの発表で「ファーウェイ」のディスプレイ搭載を強調しています。

ホンダ中国四輪研究開発センター長 宮原哲也氏
「ファーウェイさんもやはり網羅的な『知能化』の技術といったところは非常に進んでおります。中国の中で、中国の有力なサプライヤーさんとやっていくというのが、中国のお客様向けの商品をやっていくという意味では良好な手段」

今回のモーターショーではファーウェイのほか、中国大手の家電メーカー「シャオミ」も参入。異業種からの参入も本格化する中、中国では今年、EVが供給過剰になり、“値下げ競争”が激化する可能性があります。

EVで遅れをとってきた日本勢は新たな課題に直面することになりそうです。