今年も長雨の季節が近づいてきました。沖縄や奄美はまもなく、九州や四国も5月下旬には梅雨入りとなりそうです。6月中旬には本州の広い範囲で梅雨入りとなるでしょう。梅雨の期間は大雨にいっそう注意が必要になります。そんな大雨災害をもたらす原因の一つに「線状降水帯」がありますが、今年から「線状降水帯による大雨の発生可能性予測」がより対象地域を絞り込んで発表されるようになりました。

今年の梅雨入りは?

沖縄や奄美は、来週はぐずついた天気となり、まもなく梅雨入りとなりそうです。

5月下旬は後半になるほど、西日本などで梅雨前線の影響を受けやすくなるでしょう。湿った空気が流れ込みやすくなる九州や四国は「5月下旬」に梅雨入りする見込みです。九州南部は平年並みですが、九州北部と四国では平年より早いタイミングとなるでしょう。

6月上旬になると、梅雨前線はいったん南下し、沖縄付近に停滞しますが、6月中旬になると再び、梅雨前線が本州付近に北上する予想です。中国地方や近畿、東海、関東甲信は、平年より遅く「6月中旬」に梅雨入りとなりそうです。また、北陸や東北南部、東北北部も「6月中旬」に梅雨入りする見込みで、こちらは平年並みとなるでしょう。

降水量は、西日本や東日本の太平洋側ほど平年に比べて多い傾向となる見込みです。今年の梅雨は、暖かく湿った空気が太平洋高気圧の縁を回って、日本付近にいつも以上に流れ込みやすくなりそうです。

変わる線状降水帯による大雨への呼びかけ

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梅雨の期間中は、毎年のように大雨災害が発生しています。そんな大雨をもたらす原因の一つに「線状降水帯」があります。

「線状降水帯」とは、発達した雨雲が線状にどんどん発生して、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過・停滞することで作り出される、強い雨のエリアのことです。同じような場所で顕著な大雨が続くことから、甚大な災害が発生する恐れがあります。

気象庁は「線状降水帯」による大雨の可能性がある程度高いと予測される場合に、半日程度前から気象情報において警戒を呼びかけています。この呼びかけについて、これまでは全国11のブロックに分けた地域(地方単位)を対象としていましたが、今年5月28日から対象地域を絞り込んで、より細かい府県単位で発表されることになりました。

「線状降水帯による大雨の発生可能性予測」がでたら

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半日程度先に「線状降水帯」による豪雨の可能性があると呼びかける情報を気象庁が発表した場合は、発表対象となった地域のどこかで、猛烈な雨や非常に激しい雨が降り、大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。以下のような行動をとるようにしてください。

① いつもより大雨災害が起きる可能性が高い状況だということを認識し、テレビやスマートフォンなどで気象情報をこまめに見るようにしてください。
② 川の近くや土砂災害の危険のある地域にいる人は、避難する可能性があると考え、自治体から発表される避難情報に注意しましょう。この段階で、飲食品、貴重品、着替えなど避難所に持って行くものを再確認し、必要になればすぐに避難できる準備を整えてください。暗くなってからの避難は危険です。気象情報や避難情報をこまめに確認しつつ、明るいうちの避難を心がけましょう。
③ 避難先は、自治体の指定する避難所のほかに、安全な親戚・知人の家やホテル・旅館など複数の候補を考えておくと良いでしょう。