ノヴァーク・ジョコビッチ
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男子テニスのBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)は16日にシングルス4回戦が行われ、昨年王者で第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第13シードのC・ノリー(イギリス)を6-3, 6-4のストレートで下し、17年連続のベスト8進出を果たした。ジョコビッチは試合後の会見でノリーの言動について述べている。

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今季2勝をあげているジョコビッチがBNLイタリア国際に出場するのは17年連続17度目。昨年を含め過去6度優勝を飾っている。

今大会は2回戦で世界ランク61位のT・マルティン・エチェベリー(アルゼンチン)をストレートで、3回戦では第26シードのG・ディミトロフ(ブルガリア)をフルセットで下して4回戦に駒を進めた。

この試合の第1セット、第2ゲームでブレークに成功したジョコビッチは序盤から3ゲーム連取に成功。自身のサービスゲームではファーストサービス時にポイントを92パーセントという高い確率で獲得し、ノリーに1度もブレークポイントを与えず先行する。

続く第2セット、第3ゲームでジョコビッチが先にブレークするも、直後の第4ゲームでノリーにブレークバックを許す。このゲームの最後のポイントではノリーがどこにでもスマッシュを打てる状況で、諦めて後ろを向いていたジョコビッチにスマッシュを当ててしまった。

ノリーはすぐに手を挙げ謝るも、ジョコビッチはノリーを睨みつけ一触即発の事態に。第5ゲーム後のチェンジコート時にすれ違った際もジョコビッチはノリーを睨みつけていた。その後、ジョコビッチは第9ゲームで2度目のブレークを奪い1時間30分で勝利した。

試合後の握手の際にはジョコビッチはノリーと目を合わさなかった。さらに、試合終了後、相手選手がコートを去る際に拍手を送ることが多いジョコビッチだが拍手を送ることもなかった。

大会の公式サイトはジョコビッチのコメントを掲載し、ノリーの言動について触れている。

「彼が僕を対して打ったときのリプレイは見た。もしかしたら、彼は故意に僕に向かって打った訳ではないと言えるかもしれない。彼が僕を見ていたかどうかは分からない。ボールはとてもスローで、ネットに近かった。僕はポイントが終わったので、ただ振り向いただけだよ」

「それがどうしたというより、色々なことが重なったのかもしれない。彼は最初から、ルールで認められていることをすべて利用した。僕のサーブの前にメディカルタイムアウトを取り、僕をボールを当て、1ポイント取るごとに僕の顔に向かって“Come on”と叫んだ。テニスはフェアなゲームではない。彼がやったことはすべて許されるけど正しくはない」

「彼とはツアーに参加している時ずっと仲良くしてきたし、一緒に練習してきた。コート外ではとてもいい人だったので、コート上でのこのような態度は正直理解できない。でも、それが現実なんだ。彼が火種を起こしたので、僕もそれに応えただけ。でも、コートで起きたことはコートに置いて次に進むよ」

勝利したジョコビッチは準々決勝で第7シードのH・ルーネ(デンマーク)と対戦する。ルーネは4回戦、予選勝者で世界ランク77位のA・ポピリン(オーストラリア)を6-4, 5-7, 6-4のフルセットで下しての勝ち上がり。

同日には第3シードのD・メドベージェフ、第4シードのC・ルード(ノルウェー)、第5シードのS・チチパス(ギリシャ)、第15シードのB・チョリッチ(クロアチア)、第24シードのF・セルンドロ(アルゼンチン)が8強に駒を進めている。