日本の映画音楽をテーマとした企画展「日本映画と音楽 1950年代から1960年代の作曲家たち」が国立映画アーカイブ 展示室にて開催。5月25日からは同名の上映企画で61作品もの映画作品が上映される。※上映企画については別途記事にて予定

この展示・上映の企画に、《映画音楽がやって来た!「日本映画と音楽」特別演奏会》のタイトルで、室内オーケストラの演奏会が加わる。開催日は上映初日の5月25日、同施設内の長瀬記念ホール OZUにて。このホールでの演奏会は史上初となる。先日、演奏曲目の一部が発表になった。

今年(2024年)に生誕100年を迎えた團伊玖磨、眞鍋理一郎、斎藤高順をはじめ、戦前期から多くの映画を手がけた早坂文雄、戦後の日本の作曲界に彗星のごとく現れた「3人の会」(團伊玖磨・芥川也寸志・黛敏郎)、 他にも林光、間宮芳生、いずみたく、佐藤勝など、今回の展示・上映企画で紹介される作曲家たちによるバラエティに富んだ映画音楽が演奏される。

演奏するオーケストラ・トリプティークは、日本の作曲家を専門に演奏するオーケストラとして、プロ奏者により2012年結成。伊福部昭百年紀の公式オーケストラとしても演奏を行うなど、団体名でもある「トリプティーク」は三連画という意味を持ち、前衛、近現代音楽、映像音楽という三本の柱を持つオーケストラ活動を続けており、この演奏会への登場は当然と言うべき。また、今回のプログラムは1950年-60年代に日本映画界で活躍した作曲が幅広く取り上げ、オーケストラと共に独唱・合唱によるテーマ曲の演奏がこれほど揃う。10年20年に一度の日本映画の音楽の演奏会の開催となる。

演奏は、指揮 野村英利、管弦楽をオーケストラ・トリプティーク(コンサートマスター:三宅政弘)、重本遼大郎のドラムス、ミュージカル・ソーの安田崇、独唱に山本澄奈・根岸一郎、ヒーロー・コーラスが加わる。なお、解説をこの企画を担った同アーカイブ特定研究員 藤原征生が担当。

タイトルは「映画音楽がやって来た! 「日本映画と音楽」特別演奏会」。“〜がやって来た!”のフレーズは、「男はつらいよ」の音楽でも知られ、映画音楽を多く手掛けた山本直純が司会の音楽番組「オーケストラがやって来た!」を思い出す昭和世代には懐かしい。

プログラム  ※`24年5月17日 更新分

團伊玖磨
『白夫人の妖恋』より「しらとり韶」
眞鍋理一郎
『ゴジラ対ヘドラ』より「かえせ!太陽を」
『ゴジラ対メガロ』より「メガロをやっつけろ」「ゴジラとジェットジャガーでパンチ・パンチ・パンチ」
佐藤勝
『若者たち』
『ゴジラ対メカゴジラ』より「ミヤラビの祈り」
芥川也寸志
『鬼畜』
『ゼロの焦点』
『猫と庄造と二人のをんな』
『破戒』
いずみたく
『宇宙大怪獣ギララ』より「ギララのロック」
黛敏郎
『カルメン故郷に帰る』
『女であること』
『君も出世ができる』  ほか

上記のプログラムのほか、斎藤高順『東京暮色』、林光『裸の島』、間宮芳生『太陽の王子 ホルスの大冒険』『火垂るの墓』からテーマ曲を中心とした楽曲が演奏される。

演奏会 概要
映画音楽がやって来た!「日本映画と音楽」特別演奏会
共催:国立映画アーカイブ、株式会社スリーシェルズ
日時会場:
2024年5月25日(土)15:00 国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU ※310席 定員制 全席指定席

出演
指揮:野村英利
オーケストラ・トリプティーク
1stヴァイオリン:三宅政弘
2ndヴァイオリン:荒井智子
ヴィオラ:伊藤美香
チェロ:竹本聖子
フルート:石田由子
クラリネット:松本玲香
トランペット:岩波俊光
トロンボーン:山本靖之
ドラムス:重本遼大郎
エレクトーン:竹蓋彩花
PA:磯部英彬
ミュージカル・ソー独奏:安田崇
ソプラノ独唱:山本澄奈
バリトン独唱:根岸一郎
合唱:ヒーロー・コーラス

解説:藤原征生(国立映画アーカイブ特定研究員)

チケット:
オンライン販売:発売中。 開演15分前まで
窓口販売:演奏会当日14時〜開演5分前 若干数 ※座席選択不可

中央エフエム RADIO CITYの番組 Hello! RADIO CITY 「今月の国立映画アーカイブ」より


演奏会情報WEB:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/japanese-cinema-and-music2024/#section1-5