ブルックリン・ネッツのカイリー・アービングは、ポイントガードとして現役トップクラスの実力を誇りながら、歯に衣着せぬ物言いで今では“ヒール役”のイメージが強い。NBAエージェント界隈からは、問題児として知られたステフォン・マーブリーを引き合いに出す声まで浮上している。

 アービングは2011年のドラフト全体1位指名でクリーブランド・キャバリアーズに加入し、ルーキーイヤーから司令塔兼エースを担ってきた。2年目には平均20点を超えで早くもオールスター出場を果たすなど、順調にスターの階段を登ってきた。レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)と共闘した2015−16シーズンにはNBAタイトルも獲得している。

 しかし、2枚看板ではなく、より大きな役割を望んだアービングはチームにトレードを要求し、2017年8月にボストン・セルティックスへ移籍。リーグ屈指の名門でリーダーの座を任されたが、優勝はおろかファイナルにも導くことができず、昨夏にネッツへ加入した。

 直近で最もアービングが顰蹙を買ったのは、『The Boardroom Podcast Network & Cadence13』の番組『The ETCs』で同僚のケビン・デュラントと対談した際、「ラストショットを打つのはどちらか?」というテーマで発したコメントだった。
 「これまでプレーしたすべてのチームでは、大事な局面では自分がベストオプションだと考えていた。キャリアを通して、『アイツもウイニングショットを決めることができる』と思えるのは(デュラントが)初めてのことさ。チームメイトを信用していなかったわけではないけど、(これまでは)俺がウイニングショットを打ちたかったんだ」

 これには2014−15シーズンにキャバリアーズでチームメイトだったケンドリック・パーキンスも、「カイリーは正真正銘のヘイター(嫉妬心に駆られて難癖をつける人)だ。彼はとても嫉妬深く、レブロン・ジェームズを羨ましがっていて、それを隠せていない」と一刀両断したほどだった。

 今季は右肩の故障で20試合の出場にとどまったなか、来たる新シーズンはスティーブ・ナッシュを新指揮官に迎え、右足アキレス腱断裂から復活を期するデュラントとともにダークホースとして上位進出を狙う。しかし、『The Athletic』が匿名を条件にNBAエージェントを対象に行ったアンケートでは、「ネッツがイースタン・カンファレンスで有力チームになるか?」という質問には否定的な見解が半数を超えた(イエスが7票、ノーが12票)。
  デュラントとアービングの能力を認めつつも、故障歴やケミストリーが懸念材料に挙がるなか、あるエージェントはアービングの存在により、ファイナル進出はあり得ないとまで断言している。
 「いやいや、そんなわけない。(ネッツは)不安定で予測がつかない。ファイナル進出は不可能だ。ケビン・デュラントはおそらくNBAでもベストプレーヤーだが、カイリー・アービングは何をやらかすか分からない危険人物だ。今のところ何もしていない。あまり悪く言いたくはないが、カイリーはステフォン・マーブリーのフェーズ(段階)に入っている。見れば分かる。彼にとってバスケットボールは優先事項ではない」

 殿堂入り選手のアレン・アイバーソンやコビー・ブライアントと同じ1996年ドラフト組でありながら、ケビン・ガーネットとの確執や問題行動で各チームを渡り歩いたマーブリー化しているとレッテルを貼られたアービング。その悪評を覆すには、新シーズンに自らのプレーと結果で実力を証明するしかない。

構成●ダンクシュート編集部

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