国内女子ツアー今季3戦目の公式戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』最終日、単独首位でスタートした原英莉花は3バーディ、3ボギーの72で回り、通算10アンダーで今季2勝目、ツアー通算3勝目を飾った。また日本女子オープンに続き、公式戦2連勝を達成。国内メジャーで同じ年に2勝したのは原で15人目となる。

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 最終日を首位で迎えたとはいえ、2位とは1打差しかない。できれば、初日、2日目のように前半でバーディを重ねてリードを広げたい。そんな気持ちで2番パー5を迎えた。582ヤードあるとはいえ、初日にイーグル、2日目にバーディを奪った相性のいいホールだ。しかし、ラフから放った第3打が予想以上にグリーン上を転がり、22メートルのバーディパットを残す。ファーストパットを寄せ切れずに3パットでまさかのボギー。パー5でのボギーは今大会初だった。
  前半を終えてイーブンパーとスコアを伸ばせずに周りのスコアを気にしたが、幸いにも上位でスコアを伸ばしている選手がいないことを理解した。それでもショットに対する不安が拭い切れない。「途中で誰がプレーしているんだろうと何回も思うぐらい悪かったですね」という原。実は先週の日曜日、師匠であるジャンボ尾崎の元を訪れていた。どうにもこうにも悪かったショットを修正したかったからだ。

 実際、痛めた右膝を庇うようなスイングを続けたことで、本来の姿ではなかった。それをジャンボは一発で見抜く。「お前、そんなにトップの位置が低かったか?ここにこなきゃダメだろ」と指摘する。ハッとした原はすぐにトップの位置が高くなるように気を付けたところ、見違えるような球が打てたという。

 しかし、そのショットがこの日はなかなか出ない。そんな状況で迎えた13番パー5で奇跡が起きる。右へ曲げたボールが木に当たってラフまで戻ってきたのだ。「木に当たらなければ林かOBだったと思うので、本当に運がよかったですね」。運も実力というが、3打目をピン左1.5メートルに乗せてバーディを奪い、一気に流れを引き寄せた。
  最終18番パー4でボギーを叩いたのはご愛嬌として、終わってみれば2位に2打差をつけての勝利だった。初日から首位を守り続けての完全優勝には師匠のジャンボも原の成長を感じたのではないか。振り返ってみれば、年初からゴルフに集中することを命題にしていた。シーズンオフはコースでのラウンド練習はもちろんのこと、ジャンボ邸で打ち込みとトレーニングに明け暮れた。人気選手だけにメディアからの取材依頼も殺到していたが、一切断り、練習する時間をなるべく作るようにした。プライベートな時間でもゴルフのことが頭の中を駆け巡るようになり、入浴中に左手で歯磨きをしたらどうだろうかとか、左手で食事をしてはどうかと考えた。「やっぱりゴルフは左手の動きが大切じゃないですか。そういう考えが左手片手打ちに結びつき、技術向上につながっているんだと思います」という。そのような小さなことの積み重ねがシーズン終盤になって実を結んだといえる。
  もちろん、原のポテンシャルを考えれば、まだまだ成長過程でしかない。そのことは原自身が最も分かっている。「メジャー2勝したので100点をつけてもいいところですが、予選落ちも何度かありましたり、波の荒さを痛感するので、今年のゴルフは81点ですね」と辛口の評価だ。もっとも、渋野日向子らと同じように、12月10日開幕の全米女子オープンに出場するため、今年はまだ終わっていない。残りの19点はそこで埋めるつもりなのかもしれない。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。         この投稿をInstagramで見る                      

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