今季、アルファタウリからF1デビューする角田裕毅。7年ぶりに誕生した日本人ドライバーには大きな期待がかけられているが、不安材料がないわけではない。

 その大きな要素のひとつとして挙げられるのが、F1マシンの運転経験の少なさだ。今季は支出の削減を理由に、直前合同テストの日数がこれまでの半分となり、3月12日からバーレーンで3日間行なわれるテストでは、実際にひとりのドライバーに割り当てられる時間は1日半だという。

 昨年11月に初めてF1マシンを経験した角田は、首をはじめとする身体への負担の大きさを味わったと語っているが、ルーキーにとっては例年以上に不利な状況を抱えての挑戦ということになるだろう。

 コロナ禍の影響により、大幅なレギュレーション変更が1年先送りにされたことで、基本的に昨季のシャシーが持ち越され、ルール変更も少ないことも、経験の重要さを際立たせる可能性がある。

 そんな状況を少しでも改善するために、アルファタウリが今月27〜28日にイモラで旧型マシンを使ってテスト走行を行なうと、各国の複数メディアが伝えている。レギュレーションによれば、2シーズン前よりも以前に使用されたマシンであれば、このようなテストを行なうことができるという。
  このテストの最大の目的は、角田にF1マシンを運転させる機会を与えることだが、チームメイトのピエール・ガスリーも、ここである程度のマイレージを稼ぐことができると思われる。

 さらに、F1各チームはプロモーション用映像素材の撮影のための「フィルミングデー」が2日間与えられ、撮影用の特別なタイヤを使用するという条件付きではあるが、今季仕様のマシンを100kmの距離に限定して走らせることができるが、アルファタウリはこれを含めて、2月23〜25日にもイモラでテストを行なう予定だとされている。

 適応の速さに定評がある角田が、これらの走行機会を経て、どれだけ他のドライバーとの差を縮められるか。F1ラストイヤーゆえに万全の準備を進めているホンダのパワーユニットと、レギュレーション変更によるダウンフォースの低減が施されたシャシーが融合したモンスターマシンを、スーパールーキーがいかにコントロールするかが、非常に興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】イモラでの角田裕毅のテスト走行とインタビューの様子