今季4先発目の登板も、大谷翔平の”魅力”が詰まったマウンドだった。

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷は現地時間5月5日、本拠地で行なわれたタンパベイ・レイズ戦に先発。リアル二刀流ではなく投手一本に絞った登板は、5.0回を投げて6四球を与えながらも、被安打わずか1で無失点、7つの三振を奪って見せた。

 球数も75球とあって6回のマウンドに上がったものの、ここで2連続四球を出してしまい降板。後を継いだ投手が無失点に抑えて大谷の白星は守られたかに見えたが7回、2019年にオールスター選出を果たしているレイズ主力のブランドン・ラウがエンジェルス3人目の投手から逆転3ランを放って大谷の勝利投手の権利は消滅。試合もそのままレイズが3対1で勝利した。

 大谷は試合後、「もちろん四球が少なければ、もっともっと長いイニングを投げられますし。今日も7回ぐらいいけたんじゃないかな」と制球難を反省したものの、「ボール自体は悪くないのかな」と手応えも口にした。実際、この日もイニング数を上回る三振を記録し、今季の奪三振率14.46はジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ/15.17)、ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース/14.81)に次ぐ数字と、その球威は誰もが認めるところである。

 そしてそれは、この日対戦したレイズの選手のコメントからもうかがい知れる。「対戦は非常に困難だよ」と率直な意見を述べたのは、他でもない大谷の白星を“粉砕”したラウだった。
  試合後に地元記者から大谷の印象について訊かれると、「4〜5回を普通に96マイル(約154キロ)くらいで投げて、やろうと思えば100マイル(約161キロ)まで出力を上げられるオオタニのような投手との対戦は本当にチャンスがないね」とラウ。そして、「しかも、投げる球の全てが動き方が違うんだ。あんなヤバすぎるボールを投げる投手との対戦は、本当に困難だよ」とお手上げだったようだ。

 実際、この試合で1番で出場したラウは、第1打席にストレートの四球で出塁したものの、3回の第2打席は99.4マイル(約160キロ)の4シームで空振り三振、5回にも99.3マイル(約160キロ)の4シームで見逃し三振に打ち取られている。初回以外の計8球はどうにかファウルで粘ったものの、ボールの見極めができずにボールカウントを一つも取れていなかった。

 2019年に82試合で17本塁打、昨年は4試合連発を含む56試合で14本塁打を放った打者が、これほどまで語る大谷の球威。もし安定してストライクを投げられるようになった暁には、想像しただけでも恐ろしいことになりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部