「アスリートという職業は、国民の理解とサポートがあってこそ成り立つ」と、陸上の女子10000メートルで五輪代表の新谷仁美が声を大にして言う。

 5月9日、陸上競技会場となる国立競技場で、テストイベント『READY STEADY TOKYO』が実施された。女子5000メートルに出場した新谷は、レース後のミックスゾーンで自身の経験を元に熱く訴えかけた。

 コロナ禍で東京五輪の開催に反対する意見が多く、この日は国立競技場周辺でも反対デモが行なわれた。このデモについては「ニュースで拝見しました。これは当然のことだと思う。コロナ関係なく、スポーツに対してネガティブな意見をお持ちの方は当然いる。その人たちの気持ちにどう寄り添っていけるかが重要」とした上で、「国民の意見を無視してまで、競技をするようではアスリートではない」と持論を展開した。

 2013年世界陸上モスクワ大会で5位に入賞も、その後は選手生活に一度は終止符を打った新谷。一般社会で4年間を送り、競技者に復帰したからこそ感じることは大きいようだ。「結果を出したから偉いわけではない。伝えられるところは自分の意志を伝えるのが大事」と理想とする“アスリート像”を語った。
  先日、競泳の池江璃花子が自身のSNSで、五輪開催を反対する声により心を痛めていることを明かした。新谷の元には直接批判の声は届いていないが、五輪開催の賛否については、「アスリートとしてどういう答えが望ましいのかっていうのは分からない」と考えを模索している様子を見せた。

 それでも新谷は、「悩みを見せないように結果を出すのが、アスリートだと思う。結果に影響させないような走りをしないと」と力を込めた。

構成●THE DIGEST編集部

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