自己最高の7位入賞を果たした他、予選でも初のQ3進出を果たすなど、F1第6戦アゼルバイジャン・グランプリでの角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)は多くのポジティブな面を見せ、今後のさらなる飛躍に期待を持たせた。

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 しかし、課題も幾つか残した週末だったのも事実である。角田自身が最も悔やんだ再スタートでのポジションダウンは、スタートという彼の弱点が出た結果だろう。そして、Q3でのクラッシュも、彼の“悪癖”といわれ、レッドブルのヘルムート・マルコ顧問からは「傲慢だ」「秩序を覚える必要がある」、アルファタウリのフランツ・トスト代表からは「限界点を知る必要がある」と苦言を呈されている。

 ここまでのF1のキャリアで、彼はイモラ、モナコ、そしてバクーでクラッシュを喫し、車にダメージを負わせてしまった。では、この回数は全ドライバーの中でどれほどの多さなのか、さらには彼の起こしたアクシデントによってどれだけの修理代が生じるのだろうか。オランダの専門メディア『F1MAXIMAAL.NL』がこれを取り上げ、ドライバー、コンストラクターズの両方でランキングを記した。
 
 さて気になる角田は、ドライバーの中では4番目の多さ。彼がこれまでに壊したのは、リアサスペンション(×3)、リアウイング、フロア、ギアボックス、タイヤ、フロントウイング、フロントサスペンションで、これらの損害の総額は106万6500ユーロ(約1億3000万円)に達する。ここからもF1の規模の大きさが窺い知れるだろう。そして、チームがクラッシュを望まない理由も……。

 そんな日本人ルーキーを上回ったのは、3位がウィリアムズのニコラス・ラティフィで109万3500ユーロ(約1億3500万円)、2位がハースのミック・シューマッハーで120万8000ユーロ(約1億4900万円)。チームメイトのニキータ・マゼピンはここまで多くのスピンを喫し、トラブルも起こしているが、損害は7位の55万3000ユーロ(約6800万円)にとどまっているのは、意外に映るかもしれない。
 
 そして現時点で1位は、メルセデスのヴァルテリ・ボッタスだ。ここまで多くのトラブルに見舞われたり、アクシデントに巻き込まれたりと不運なシーズンを送っている王者チームの一員は、フロントウイング、バージボード、モノコック、フロントサスペンション、タイヤ、サイドポッド、リアサスペンション、フロア、ギアボックス、ブレーキと、損傷個所も多岐にわたっており、損害の総額は178万9000ユーロ(約2億2000万円)にのぼる。

 ちなみに角田のチームメイトであるピエール・ガスリーはフロントウイングの破損が1回のみで、14万5000ユーロ(約1800万円)で15位。そして、ここまでノーダメージはマクラーレンのランド・ノリスである。

 コンストラクターズでは、アルファタウリは4位。上位は3位がハース、2位がウィリアムズで、1位はメルセデスとなっているが、総額が199万9000ユーロ(約2億4600万円)ということで、ボッタスに“不運”が偏っていることが分かるだろう。逆に最も安かったのはアルピーヌで、6万5000ユーロ(約800万円)だった。
 
 なお、アゼルバイジャンGPでのランス・ストロールとマックス・フェルスタッペンのタイヤバーストによる大クラッシュは、正式な原因が現時点で不明のため、今回の集計には含まれていないとのことだが、ピレリが声明を出したように、デブリを踏んだのが明らかであれば、フロントウイングとタイヤの損壊で最低でも14万6500ユーロ(約1800万円)、さらにサスペンションやギアボックスの内部損傷で大きな額が追加されるようだ。

 今季は各チームに年間の予算制限が課されており、修理に費用がかかれば、マシン開発に回せる額が減ってしまうということで、クラッシュの回数とその程度はチームの命運をも左右することにもなりかねない重要な要素と言えよう。角田はここまで、多くの授業料をチームに払わせたことになるが、今後の好パフォーマンスで“返済”できるか!?

構成●THE DIGEST編集部

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