フィラデルフィア・セブンティシクサーズとアトランタ・ホークスによるイースタン・カンファレンス・セミファイナルはここまで1勝1敗。6月8日(日本時間9日、日付は以下同)に行なわれた第2戦は、ホームのシクサーズが試合の大部分でリードを保ち、118−102で勝利を収めた。

 この試合ではジョエル・エンビードがゲームハイの40得点、13リバウンド、トバイアス・ハリスが22得点、6本中5本の3ポイントを決めたセス・カリーが21得点。さらに控えのシェイク・ミルトンが第4クォーターの8得点を含む14得点で勝利に貢献した。

 ミルトンの活躍に、ハリスは「プレーオフとはどういうものなのかをまさに示してくれた。誰がステップアップするかなんて、誰にも分からないのさ」と語れば、ドック・リバース・ヘッドコーチ(HC)も「彼はしっかりと準備していたし、もっとショットを手にすることができると信じ、それを見事に決めたのさ」と伏兵を称えた。
  その一方で、先発の一角を務めるダニー・グリーンがこのシリーズでスランプに陥っている。レギュラーシーズンでは平均9.5点、3ポイント成功率40.5%、ワシントン・ウィザーズとのプレーオフ1回戦でも平均9.4点、3ポイント成功率46.4%を記録したが、ホークスとの2試合では平均4.5点、3ポイント11.1%(1/9)と不発。

 ベテランシューターの復調はシクサーズにとって今後のキーポイントになり得るが、11日に敵地アトランタで迎える第3戦を前に、指揮官は問題視していないことを明かした。

「そのことについて心配はしていない。(3ポイント)9本のうち6本はいいショットだったし、残りの3本についても我々は先に進もうと思えるものだった。私は彼には自由を与えている。彼は自分の仕事をしていくだけだからね。シューター陣がショットを落とすことについて、私は心配していない。そのうちどこかで入り出すからだ」
  リバースHCのグリーンに対する信頼の高さは、レギュラーシーズン、プレーオフ1回戦、そしてこのシリーズでもプレータイムが同等なことからも窺える。勝利した第2戦では5得点に終わったとはいえ、3リバウンド、2スティール、1ブロック、0ターンオーバーに加えてチームトップの8アシストを残している。

 グリーンの8アシストは今季を含めた12シーズンのキャリアで最多の数字。ショットが決まらなくとも、調子の良いチームメイトたちへパスを捌き、チームオフェンスを円滑にしている。
 「もし自分の得意とするものが阻まれた時、君はチームを助けるために他に何ができる? それができるならプレーし続ける。そうでなければ私の隣に座れということ。それがバスケットボールの基本的なルールというものさ」

 リバースHCを筆頭としたシクサーズのコーチングスタッフたちは今季、エンビードとベン・シモンズというオールスターデュオを中心に、強固なチームを作り上げてきた。脇役陣もしっかりと自分たちの役割を理解し、それによってイーストの第1シードを獲得しただけに、選手とコーチ間の信頼が簡単に揺らぐことはないだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)