人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 ジャマール・クロフォードは、ワシントン州シアトル出身。ミシガン大で1年プレーし、2000年のNBAドラフト全体8位でクリーブランドキャバリアーズに指名された直後にシカゴ・ブルズへトレードされ、NBAキャリアをスタートさせました。

 ルーキーイヤーは控えポイントガードとして61試合に出場するものの、平均4.6点と期待外れ。2年目には左ヒザの前十字靱帯を断裂する大ケガに見舞われ、わずか23試合の出場にとどまります。しかし4年目にシューティングガードにコンバートされると、平均17.3点と躍進を遂げました。

 04年に加入したニューヨーク・ニックスでは当初はバックアップでしたが、2007-08シーズンは80試合に先発出場。チームトップ&キャリアハイの平均20.6点をあげるなど自身の市場価値を上げることに成功しました。

 09年にトレードされたアトランタ・ホークスでは再びベンチスタートに回るも、1年目に最優秀シックスマン賞を受賞。3年プレーした後、ポートランド・トレイルブレイザーズに移籍しますが、わずか1年でロサンゼルス・クリッパーズへ。

 それまでチームを転々としてきたジャーニーマンのクロフォードにとって2012-13シーズンから5年間過ごしたクリッパーズでの日々が、最も安定してバスケットに打ち込めた時期だったのではないでしょうか。
  そんなクリッパーズ在籍時の13年、クロフォードはadidasやFILAのデザイナーだったデビット・レイシーが立ち上げた「BRANDBLACK(ブランドブラック)」と契約。すぐに自身のシグネチャー「J CROSSOVER」をリリースします。

 シューズ名はクロフォードの必殺技でもある、クロスオーバーに由来。「J」はファーストネーム(ジャマール)から来ており、彼の名刺代わりの1足と言っていいでしょう。



 今回紹介するモデルは、その第3弾「J CROSSOVER 3」。ブランド創設時に掲げた「ファッションとスポーツを橋渡しするブランド。機能性とデザイン性の一体」の集大成として発売しました。

 アッパーは、“バリスティックナイロン”と“フューズドスキン”メッシュを採用。この素材は軍用シューズにも使用されており、熱圧着により薄いながらも強度を保ち、さらに軽量化とスマートなシルエットを実現させました。
  シューズのアイキャッチとなっている足首部分のサポートシュラウドは、全体を包み込むことでボリュームを出すとともに、足の側面からくるぶしを覆い、前後からしっかりとホールドして足首のブレを防ぎます。

 ミッドソールは、“フォースベクターテクノロジー”と“ブラックフォーム”の二段構造。そこに“ミッドフットシャンク”でサポートするというシンプルな外観の割には手厚い機能を備えています。



 アウトソールは、クリアラバーで透過する大きなブランドロゴに気を取られがちですが、大きめのヘリンボーンでフラットな仕上がりの設置面は屈強なグリップ力を発揮します。



 シグネチャーの証は、シュータンに印字されたイニシャルの“JC”とヒールに刻印された“スペースニードル”のシルエット。クロフォードの故郷シアトルのシンボルタワーを何気なく入れてくるあたりにセンスの良さを感じます。
  BOXは、つや消しブラック一色に“JC”マークがシンプルにレイアウトされ、デザインに注力するブランドであることが感じられます。



 構造は引き出し式で、中箱はブルーが一色引かれており、シューズが映える構成に。通常のシューズは紙に包まれていますが、「J CROSSOVER 3」は1足ずつ収納するタイプの袋に収まっています。



 BOX内には機能を紹介したカードも同梱してあり、気が利いた心遣いに感謝しかありません。



 メジャーブランドのシグネチャーは、最新のデザインやテクノロジーが満載です。一方で新興ブランドも独自のデザインや機能を持っています。それをファンが着用したり、コレクターがSNSで拡散することによって、バッシュのさらなる進化があるのだと思います。

文●西塚克之

【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之/日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム(@dukas_cafe)では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

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