6月10日(日本時間11日、日付は以下同)に行なわれたブルックリン・ネッツとミルウォーキー・バックスによるイースタン・カンファレンス・セミファイナル第3戦は、それまでの2戦とは打って変わってディフェンシブな展開となった。

 前半を終えて45−42と、バックスが3点リード。迎えた後半も両チームのショットはなかなか決まらなかった。同点で迎えた試合時間残り1分23秒、ネッツはケビン・デュラントの3ポイントで3点リードしたものの、そこから得点を追加できず。対するバックスはクリス・ミドルトン、ドリュー・ホリデーのシュートで逆転に成功し、86−83というロースコアゲームを制した。

 勝利したバックスはミドルトンが35得点、15リバウンド、ヤニス・アデトクンボも33得点、14リバウンドをマークするも2桁得点はこの2人のみ。一方のネッツもデュラントが30得点、10リバウンド、5アシスト、4スティール、カイリー・アービングは22得点、5リバウンド、3スティール、ブルース・ブラウンが16得点、11リバウンドを記録したが、2桁得点はこの3選手のみだった。
 『Elias Sports Bureau』によると、NBAのプレーオフ史上、5選手がゲーム総得点の80.5%も占めるのは史上最多だという。イーストの覇権争いを繰り広げる両チームの第3戦は、稀に見る展開となったわけだ。

 13日に行なわれるシリーズ第4戦を前に、ネッツはジェームズ・ハーデンの欠場が決定、ジェフ・グリーンのステータスも“questionable”となっていることから、両チームは第3戦と同じメンバーで相見えることになる。そこでカギを握る存在として浮上するのがジョー・ハリスだ。ネッツ在籍5シーズン目の29歳は、今季レギュラーシーズンでリーグトップの3ポイント成功率(47.5%)を記録し、1試合当たりの平均成功数も3.1本、チーム4位の14.1点をマークしている。

 バックスとのシリーズでも、第1戦が19得点、第2戦も13得点をあげ勝利に貢献。しかし第3戦ではフィールドゴール成功率9.1%(1/11)、3ポイント成功率14.3%(1/7)と極度の不振に陥り、わずか3得点と不発に終わっていた。
  ハリスがキャッチ&シュートを高確率で沈めることで、スコアラーであるデュラントとアービングにスペースを与え、さらにペイントエリアにもスペースが広がり、ブラウンやブレイク・グリフィンがアタックできる。それだけに、この男が第4戦で復調できるかがポイントになるだろう。

 スティーブ・ナッシュ・ヘッドコーチ(HC)はハリスについて『New York Daily News』へこう語っていた。

「ジョーはスマートな選手であり、エリートシューター。だから、相手の密着マークに遭ってしまう。誰だっていつも通り、いや毎晩平均の数字どおりにシュートはできないものだ。だからこそ、彼にはいつもやっていることを続けることが重要になってくる」
  バックスは第3戦でデュラント、アービング、伏兵ブラウンに2桁得点を許したものの、ハリスを抑え込んだことで勝機を見出したと言っていいだろう。もっとも、ナッシュHCは「ジョー・ハリスについては心配していない。彼はスマートかつタフな選手であり、驚異的なシューターだからね」と意に介していない。

 ハリスも第4戦を翌日に控えた12日、「僕らは自分たちのオフェンスに頼り切ることはできない。このチームには(第3戦でも)勝利するチャンスがあったんだけど、それはシリーズを通してディフェンスがすごく強固だったからだ。ただ、オフェンスについては多くの点で整理していく必要がある」とコメント。翌戦での巻き返しを誓っている。

 シリーズ第4戦でネッツが勝利すれば、3勝1敗でカンファレンス・ファイナル進出に王手をかけることになる一方、バックスが勝てば2勝2敗のタイとなる。シリーズの流れを決定づけかねない両チームによる第4戦は必見だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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