7月31日、東京オリンピック・男子サッカーの準々決勝が行なわれ、日本はスコアレスからのPK戦の末にニュージーランド(NZ)を抑え、2012年ロンドン五輪以来2大会ぶりの4強入りを果たした。

 県立カシマサッカースタジアムでの一戦、日本は累積警告でオーバーエイジ枠の右SB酒井宏樹を欠きながらも、序盤から主導権を握って敵陣に攻め込む。しかしNZの堅守の前にゴールは奪えず、逆に後半は攻め込まれる時間も長くなった。決定機もGKマイケル・ワウドの好守に阻まれ、延長戦でも無得点。PK戦での決着を余儀なくされたが、守護神の谷晃生の活躍とキッカーたちの冷静さによって4-2の勝利を収め、今大会最大の苦難を切り抜けた。

 森保一監督は「できれば90分でゴールを決めて勝ちたいところだったが、NZも非常に良いチームであり、粘り強く戦ってきた。なかなかゴールをこじ開けられない展開でピンチも多くあったが、選手たちが無失点に抑えながら勝利を目指して戦ってくれたことが、最後のPK戦の勝利に繋がったと思う」と試合を振り返っている。
  AFC(アジア・サッカー連盟)は公式サイトで「森保監督のチームは、試合の大半を支配し、コントロールしたにもかかわらず、120分、ワウトの牙城を崩す方法を見つけられなかった。しかし、GK谷と(PK戦での最終キッカー)吉田麻也の冷静さは、彼らに正しい結果をもたらした。もっとも、それはもっと早くに決まるべきだったが」と、日本の勝利を伝えた。

 また、各国メディアもこの激闘を報じ、米国の『NBC』は「GK谷がカカチェを止め、ルイスのミスを誘発した瞬間に、NZの魔法を尽きさせた」、フランスの『L’EQUIPE』は「勇敢なNZに長い間悩まされた日本は、勝者となるためにPK戦を経験しなければならなかった。久保建英とその仲間たちは、優れてはいたもののリアリズムに欠け、NZに自信を与えることになった」、イタリアの『SPORT MEDIASET』は「PK戦という“宝くじ”によって、日本はイベリア人(スペイン)と対戦することになった」と、それぞれ綴っている。
  さらに、韓国を6-3で破ったメキシコの『mediotiempo』は「日本は多くの問題を抱えながらもNZを倒すことに成功」、ブラジルの『Globo』は「多くの苦しみを味わいながら、日本は史上3度目の準決勝進出」と報道。後者は選手個々に対しても言及し、「谷は安定したパフォーマンスとPK戦でのセーブで違いを生んだ。守備では他に、吉田が重要な役割を果たし、橋岡は何とか酒井の仕事をこなした」として、採点でも谷に10点満点中の「7」という最高点を与えた。

 そして、健闘虚しく敗れたNZのメディアでは、『nzherald』が「PK戦で傷心のKO」と快進撃を見せた自国の終戦を惜しみ、「アウトサイダーと見られていたNZが、開催国を限界まで追い詰めた」とその戦いぶりを称賛。そして「チャンスの数などから日本の方が勝利に値するチームではあったが、“キウイ”にとっては残酷な敗北への道となった」とも記述。また、『stuff』はMFジョー・ベルの「本当に良いチームである日本に対し、120分間、100%の力を出し尽くしたチームを誇りに思う」というコメントを紹介している。
  一方、準々決勝では延長戦の末にコートジボワールを5-2で下したスペインのメディアも、次ラウンドで対戦が決まった日本について言及。『MUNDO DEPORTIVO』は「久保率いる日本がスペインの準決勝のライバルに」と題した記事で、「謙虚なNZを倒すのに多くの苦しみを味わった」と報じ、『LEVANTE-EMV』は「日本は相手よりも攻撃のアイデアが豊富であり、ゴール前に迫る数やシュート数も多く、PK戦でもより正確だった。そして久保は、とても活発で仲間を助け、最も多くフィニッシュに絡んだ」と綴った。

構成●THE DIGEST編集部