「打球が球場から消えたと誰もが思った」

 これはMLB公式サイトで、シアトル・マリナーズ番を務めているダニエル・クレイマー記者が、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の本塁打を目の当たりにし、思わずツイートした言葉だ。それほどまでに彼が放った一発は強烈なインパクトを残した。

 現地時間6月25日に本拠地で開催されたマリナーズ戦。エンジェルスが0対1とリードされた3回裏1死無塁という局面で、大谷はたった一振りで球場のムードを一変させた。

 相手先発右腕のローガン・ギルバートがカウント3-1からほぼ真ん中に投じた96.8マイル(約155.7キロ)の4シームをフルスイング。当の大谷本人が確信めいた表情で見送った打球は、打球速度118マイル(約189.9キロ)で右中間スタンドに突き刺さったのだ。飛距離にして462フィート(約140.8メートル)。先述のクレイマー記者のように愕然とするのも無理はない打球だった。

 開幕時にはスランプが指摘されていたなかで、復調の兆しを見せ始めている大谷。もっとも、この快進撃は当然とも言える。なにせ6月は彼にとって相性の良い月でもあるのだ。MLBのありとあらゆる情報を取り扱っている米データ専門会社『Codify』によれば、そのキャリアにおいて6月の月間長打率が.704と驚異的な値なのだという。
  振り返ってみれば、“覚醒”を遂げて大きな飛躍を果たした昨季も6月は打ちまくっていた。月間の本塁打数は13本で1年を通して最多。長打率も.889と図抜けた数字を叩き出していた。とにかく6月には強いのである。

 ちなみに大谷のキャリア通算長打率.704は「完全に正気の沙汰じゃない」とした『Codify』が伝えるように過去80年間で最低70打席を記録した誰よりも高い数字ではある。だが、それ以前の米球界を含めると、ルー・ゲーリックの.739が最高で、大谷のスタッツはベーブ・ルースの.710に次ぐ全体3位となる。この辺はさすがメジャーと言うべきかもしれない。

 なお、マリナーズに3対5と敗れたエンジェルスは、3連敗でアメリカン・リーグ西地区4位に転落。首位ヒューストン・アストロズとも12.5ゲーム差と大きく水をあけられてしまっている。こうして自身の活躍がチームの勝利に結びつかないのは、大谷としても複雑なところかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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