テニス四大大会「ウインブルドン」は大会初日の現地6月27日に男子シングルス1回戦が行なわれ、センターコートの第1試合に同大会3連覇中のノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク3位)が登場。クォン・スンウ(韓国/同81位)を6−3、3−6、6−3、6−4で下し、2回戦へ駒を進めた。

 新型コロナウイルスのワクチン未接種により接種義務の科されている8月末開幕の「全米オープン」(8月29日〜9月11日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)の欠場が見込まれている35歳のジョコビッチ。すなわち彼にとっては今回のウインブルドンが年内最後のグランドスラム出場となる可能性が高いのだ。

 そんな中で迎えたクォンとの初戦、4連覇を目指すジョコビッチは序盤から相手の強烈なフォアハンドを軸とした力強いストロークと粘りのディフェンスに苦戦を強いられ、第3ゲームで先にブレークを献上。何とか逆転で第1セットを奪ったものの、第2セットに入るとラリー戦で押される場面が目立ち、1セットオールに持ち込まれる。

 それでも第3セットでは第5ゲームでブレークポイントを握られながらもここを何とか切り抜け、自身は第8ゲームで値千金のブレークに成功。そのまま勝利に王手をかけると、第4セットでは1ブレークのリードを守り切り、2時間27分の接戦をものにした。

 この勝利でウインブルドンでの通算成績を80勝10敗としたジョコビッチ。同時に全ての四大大会で80勝以上を達成したプレーヤーとなり、これは男女を通じて史上初の快挙だ。
 「僕にとって特別な場所」と表現する神聖なセンターコートでまたしてもテニス界に新たな歴史を刻んだ35歳のレジェンド。試合後のインタビューでは初めに物怖じしないプレーを披露した対戦相手のクォンをこう称賛した。

「彼は本当に質の高いテニスをした。彼は拍手喝采を浴びるのに値する。僕はウインブルドンの前は大会には出ないから、(初戦は)いつも少し落ち着かないんだ。特にクォンのような才能のある選手と対戦する時はそんな感じになる。彼に勝つのは本当に難しかった」

 その中で「戦術的にポイントを支配する方法を考えなければならなかった」というジョコビッチは「僕のサービスが勝利への支えになった」と勝因を分析。続けて「こういったレベルの試合では1つか2つのポイントが勝敗を決めるが、今日は勝つ側で良かったと思う」と安堵の表情を見せた。

 タフな初戦を乗り越え、「このスポーツ(テニス)への愛と炎はまだ僕の中で燃えている。ウインブルドンで80勝を達成したからには、次は100勝を目指そう」と、更なる高みを目指すことを誓ったジョコビッチ。次なる2回戦では世界79位のタナシ・コキナキス(オーストラリア)と対戦する。次戦もどんなパフォーマンスを見せてくれるのか注目だ。

文●中村光佑

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