日本が誇る“ハマの大砲”の移籍先がついに決まりそうだ。ピッツバーグ・パイレーツからFAとなっていた筒香嘉智は現地時間8月15日、トロント・ブルージェイズとマイナー契約を結ぶ可能性が高いと複数メディアが報じた。

 筒香は今季パイレーツと1年400万ドル(約5億3333万円)で契約を結んでいたが、8月3日に40人枠外となると、5日にリリース。そして15日、メジャー4球団目のブルージェイズに拾われる形となった。残り契約はパイレーツが負担し、メジャーに昇格できれば、ブルージェイズが支払うのは最低年俸70万ドル(約9333万円)の日数分とのこと。

 2019年オフにタンパベイ・レイズと2年1200万ドル(約16億円)を結んだ筒香だったが、満足のいく結果を残せずに翌年の5月にロースターを外れてロサンゼルス・ドジャースへ移籍。そしてドジャース3Aでスイングを見直した成果は、リリースされた後のパイレーツで花開き、43試合で8本塁打、OPS.883とV字復活。オフには3年契約も打診されながら単年契約を選択し、その真価を証明するシーズンとなった。

 しかし今季は開幕から絶不調。まったく長打が出ず、50試合で打率.171、0本塁打、OPS.478となったところで、パイレーツのロースターから外れることになった。メジャーではなかなか結果を残せていない筒香だが、プレーオフ争いを演じるブルージェイズはなぜ獲得したのだろうか。

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  筒香の一報を聞いた監督代行のジョン・シュナイダーは「明らかに興味深い補強だね」と笑顔を見せ、こう続ける。「左打ちで、さまざまなニーズに応えられる選手。どうなるか、今後を見守りたい。私はこの補強を気に入っている」。

 チーム打率.263がメジャー2位、OPS.759は4位の強力打線が自慢のブルージェイズの主軸は、昨季の本塁打王ブラディミール・ゲレーロJr.、若手大型遊撃手のボー・ビシェット、核弾頭のジョージ・スプリンガー、強肩強打のマット・チャップマンを中心に右打者がずらりと並ぶ。

 一方で左打者の確たるレギュラーは俊足のライメル・タピアくらいで、他にケイバン・ビジオやジャッキー・ブラッドリーJr.もいるが、いずれも「生産的な打者ではない」(『MLB Trade Rumors』)との評価で、違いを作れる選手ではない。“上”を目指すにあたっては、可能であればバランスのいい打線を組みたいと考えるのは当然で、そこで筒香に白羽の矢が立ったわけだ。

 もちろん、筒香の実績はかなり乏しい。それでも、昨季後半に輝きを放ったのは事実。そして先に言及したように、ブルージェイズからすれば筒香の年俸は相当に安くて済むので、当たれば儲けもの、当たらなくてもOKというローリスクというわけである。

 さらに筒香からしても、低迷中のパイレーツと違って熱いプレーオフ争いをしているブルージェイズに加われることは発奮材料になる可能性もある。いずれにせよ、筒香は残り2か月弱のシーズンで自らの実力を改めて証明することが、今後のキャリアにとっても大事になるのは間違いない。

構成●THE DIGEST編集部
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