アナハイムの救世主となる日が来るかもしれない――

 今季も低迷中のエンジェルスは現地時間8月15日に行われたシアトル・マリナーズ戦、9回にひどい守備のミスプレーを連発して2対6で敗戦。挟殺プレーでホームをがら空きにして勝ち越し点を許した正捕手のマックス・スタッシは試合後、「この負けは自分の責任。人生でこんなことはしたことがなかった」と悔いたが、彼以外にも看過できないミスは多かった。

 しかし捕手は扇の要と言われるように、バッテリーのサインだけでなく、内外野の立ち位置の指示など、守備において最重要とも言われるポジション。それだけに、高い守備力を誇り、しかも攻撃力も発揮できるような選手がいれば、そのチームは間違いなく強くなる。直近で言えば、昨年に現役を引退したバスター・ポージーが代表例だろう。

 2009年にサンフランシスコ・ジャイアンツでメジャーデビューしたポージーは翌10年に新人王を獲得し、チーム56年ぶりの世界一に貢献。そして大怪我を経て復帰した12年には首位打者&MVPとなり、再びチームを頂点に導くと、14年も世界一の原動力となった。

 捕手離れした打力、卓越した守備力、リーダーシップ、さらにカリスマ性。ポージーは球史を見ても稀有な例だが、低迷中のエンジェルスにも期待の新生が現れようとしている。ローガン・オーホッピーである。

【動画】エンジェルス捕手の“メジャー新記録”1.70秒スローイングをチェック
  今夏のトレード・デッドラインにてエンジェルスは守護神のライセル・イグレシアスら主力を放出。枯渇しているファーム組織の立て直しを目指した中で獲得した一人が、若手ブランドン・マーシュとの交換でフィリーズから加わった22歳の捕手オーホッピーだ。

 7月にMLB.comが発表した有望株ランキング全体83位に入ったオーホッピーは強肩強打が魅力で、移籍前には2Aの75試合で打率.275、15本塁打、OPS.889をマーク。そして移籍後はまだ7試合の出場ながらも5発を放っている。そのパワーはもちろん、15日に行われたゲームでは衝撃的なスローイングを見せて話題を呼んでいる。

 盗塁阻止の際に捕手が二塁へ送球するタイムはメジャー平均で2.00秒。今季最速はJT・リアルミュート(フィリーズ)の1.83秒で、これは2015年にスタットキャストが導入されて以降のメジャー最速タイムでもあった。しかし、この日にオーホッピーが二塁走者を刺した送球タイムは何と1.70秒(!)。リアルミュートをはるかに上回る“メジャー新”を樹立したのである。

 もちろん、捕手守備は肩の強さだけでは測れないが、この肩は相手への抑止力にもなる。ひいては投手の助けにもなるわけで、大谷翔平もいずれバッテリーを組んだ時には走者を以前より気にせず、打者と対峙できるようになるかもしれない。

 パワー、そして肩で存在感を見せる期待株のオーホッピー。消化試合となっているエンジェルスにとって、彼が早くメジャーに昇格して実力を発揮できる日が来るのを待ち望むファンは少なくないだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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