22歳の若武者は、とにかく“打ちまくった”1年をこれ以上にない形で締めくくった。

 10月3日、今季のセ・リーグ最終戦となるDeNA戦が神宮球場で行なわれ、「4番・サード」でスタメン出場した村上宗隆(ヤクルト)は、王貞治氏を超える日本人最多の56号アーチを放った。

 打った瞬間にそれと分かる会心の一振りだった。自己ワーストの60打席ノーアーチで迎えた7回第4打席、相手5番手の右腕・入江大生と対峙した村上は、初球にほぼ真ん中に投じられた151キロのストレートをジャストミート。どこか安堵の表情を浮かべた本人が渾身のガッツポーズとともに見送った打球は、あっという間にライトスタンドの中段に着弾した。

 終盤戦にもがき苦しんだなかで、ようやく“王超え”を果たした22歳。もっとも、今季はたとえ56発目が打てずとも「日本人史上最強スラッガー」と呼べるだけの打棒を見せつけてきたと言える。実際にスタッツを見てみても、村上はセ・リーグの主要打撃部門で「10冠」に君臨している。以下はトップに位置したスタッツの一覧だ。

打率:.318
本塁打:56
打点:134
塁打:346
得点:114
出塁率:.458
長打率:.710
OPS:1.168
得点圏:.350
四球:118
  真夏にやってのけた5打席連続アーチや、史上最年少での三冠王達成など、群雄割拠の現代野球で特大のインパクトを残した村上。とりわけ8月は打率.440、12本塁打、OPS1.575、得点圏打率.529をマークするなど、疲労の溜まる夏場に入ってからも勢いが衰えないところは圧巻だった。

 その話題性は“野球の本場”にも轟いた。

 今季のメジャーリーグではア・リーグ記録となる61発を放ったアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が一大フィーバーを巻き起こした。そのなかで、9月には米スポーツ専門サイト『The Ringer』が、「簡単な比較で言えば、ムラカミは全盛期のバリー・ボンズに相当する。日本のプロ野球における90年近い歴史において、最高のシーズンをとんでもない若さで送っている」と賛辞を送った。

 一部のファンから「村神様」と称えられた今シーズン。そのなかで一度も数字を落とさずに目に見える結果を残し続けた村上は、“神”の異名にふさわしい活躍を見せたと言える。

構成●THE DIGEST編集部

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