現地1月29日に行なわれたFAカップ4回戦、ブライトンがリバプールを2-1で下した一戦で、三笘薫が終了間際に決めたスーパーゴールは大きな反響を呼んでいる。

 浮き球のパスを右足アウトサイドでトラップし、シュートを撃つとみせかけ、相手CBジョー・ゴメスが寄せようとしたところで巧みにボールを浮かせてこれをかわし、すかさずボレーでゴールの天井に突き刺した美弾だった。

 これを各国メディアはこぞって激賞。世界中のファンもペレやミシェル・プラティニといったレジェンドが過去に披露した歴史的な曲芸的ボレーシュートを引き合いに出し、日本人アタッカーに賛辞を贈った。

 この決勝ゴールだけでなく、効果的なドリブルで再三、対峙したイングランド代表SBトレント・アレクサンダー=アーノルドを翻弄し、途中交代に追い込むなど、この背番号22試合を通してのプレーも高く評価された。実際、ほとんどの現地メディアから試合の最優秀選手に選定されている。
  ブライトンのクラブ専門サイト『WE ARE BRIGHTON.COM』は、「歴史と伝統のあるFA杯で生まれた『魔法の瞬間』は、より長く人々の記憶に残る傾向にあるが、ミトマが採点のトップに立ったリバプール戦でのパフォーマンスを目撃した人々が、これを忘れることはないだろう」と記し、以下のように称賛を続けた。

「どの部分を挙げるべきだろうか? アレクサンダー=アーノルドがPTSD(トラウマ)になるのを防ぐため、(リバプールの)ユルゲン・クロップ監督がこのイングランド代表を(59分に)ピッチ上から引き上げたこと? あるいは、ソリー・マーチに決定機を提供した、ケビン・デ・ブルイネ(マンチェスター・シティ)を彷彿とさせるような、信じられない右足アウトサイドのパス?」

「ああ、それから彼がゴールを決めたこともご存じかもしれない。それも単なるゴールではなく、空中でボールをチョップするというとんでもないスキルを含むもので、ゴメスをかわし、GKアリソンを破るボレーを叩き、アディショナルタイムにブライトンを勝利に導いた」

 そして個別評価では、採点で10点満点で「9.18」の単独最高点を与え、寸評は「これ以上、ミトマへの称賛で付け加えることはない。今、モイセス・カイセドの売却にブライトンが1億ポンド(約160億円)を要求していることにサッカー界が驚いているなら、18か月後、ミトマに数十億ポンドの移籍金が生じた場合、サッカー界はさらにショックを受けることだろう」という、“壮大”なものとなった。 英国の日刊紙『THE Sun』は、「大学の論文のテーマにした芸術的なドリブルと、忍者の格闘技的な動きでアディショナルタイムに即興で決めた素晴らしい決勝点を披露」と日本人アタッカーを褒め称えるだけでなく、彼を“わずか”250万ポンド(約4億円)で手に入れたブライトンを「プレミアリーグのクラブで最も賢い」と評価している。

 同紙はまた、「ビッグ7(マンC、リバプール、チェルシー、トッテナム、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、ニューカッスル)のいずれかが、南海岸のチームが支払った金額の少なくとも20倍でミトマを購入するとトニー・ブルーム(ブライトンのオーナー)に申し出るまでに、それほど長い時間は要さないだろう」とも綴った。
  ブライトンのファンから「1億ポンドの価値がある」と称えられ、アーセナル、リバプールなどのサポーターが獲得をクラブに求めているという三笘に対しては、日本は言うまでもなく、同じアジアの国も強い関心を示しており、ベトナムの新聞『LAO DONG』は、「『アジアの新たな風』が、プレミアリーグを震撼させている」と報じている。

 同メディアは、日本人選手のイングランドでの活躍ぶり、生い立ちなどを紹介したうえで、「カタール・ワールドカップの前後で、ミトマのプレミアリーグにおけるプレー時間は大きく変化し、これはブライトンにとって日本人選手の重要性が一気に上昇したことを示している。言い換えれば、これは彼が光に足を踏み入れるチャンスである。ソン・フンミン(トッテナム)の後、ミトマは完全にアジア・サッカーの新たな誇りになるだろう」と、今後のさらなる躍進に期待を寄せた。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】「一番の鍵は日本戦であった」――クロアチア代表指揮官が明かした森保ジャパン攻略の苦悩。8強を懸けた激闘の舞台裏

【関連記事】「ほぼSFの世界」三笘薫のゴラッソは“ジダン級”!? 欧州メディアからの賛辞は止まず! 「リバプールの死刑執行人」の異名も

【関連記事】「極上のフィニッシュだ」リバプールを粉砕した三笘薫の“芸術弾”にレジェンドも脱帽! 英メディアも賛辞の嵐「ミトマは偉大」