シーズン初戦での“熱投”が波紋を広げている。

 3月31日にプロ野球のセ・リーグが開幕。昨季最下位からの捲土重来を期する中日は、敵地で巨人と対戦。6対3で接戦をものして白星スタートを切った。

 幸先良く勝利を飾った中日だったが、立浪和義監督をはじめとする首脳陣の采配に疑問符がつけられた。というのも、先発した左腕・小笠原慎之介が120球を超えてもなお続投をしていたからである。

 結局、1点をリードしていた8回2死までこぎつけるも、一、二塁のピンチで中田翔にライト線への2点タイムリースリーベースを打たれた小笠原は145球で無念の降板。ベンチに下がった際にはがっくりと肩を落とし、目には涙が浮かんでいた。
  チームの内情を思えば、先発投手を長く投げさせたいという事情は理解できなくはない。というのも、中日は今月29日に昨季のセ・リーグ最優秀救援投手であり、オフに2年契約を交わしたばかりのジャリエル・ロドリゲスがキューバからの亡命で戦線離脱。中継ぎ陣は絶対的なエースを欠いた状態であり、調子のよかった小笠原を信頼した結果でもあったわけである。

 しかし、やや疲労の色が見え始めた7回を超えたあたりから小笠原の球は上ずり、球速もやや落ち始めていたのは事実だ。ゆえにシーズン開幕したばかりにもかかわらず、145球の負荷をかけた立浪監督の決断にはファンから厳しい声が飛んだ。

 SNSでは「小笠原くん」「小笠原の145球」が相次いでトレンド入り。そして「中日はリリーフ全員が亡命したの?」「さすがに結果論とかっていう話じゃない」「監督かコーチが止めないといけない」「なぜ投げさせ続けたのかは気になるね」「まだシーズン1試合目だよね」といった否定的なコメントが相次いだ。

 9回表に再度勝ち越して巨人を破った中日。しかし、首脳陣の采配への反響はしばらく止みそうにない。

構成●THE DIGEST編集部