F1第3戦オーストラリア・グランプリは4月1日に予選が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅は今季最高の12番手につけた。

 最終準備の場となるフリー走行3回目では22周回を重ねて全体の16番手となる1分18秒901のベストタイムを計測した角田は、Q1ではアップデートされたフロアを使用した同僚ニック・デ・フリースに0.021秒下回る(1分18秒471)も、セルジオ・ペレス(レッドブル)がコースアウトで離脱。これに助けられる形でぎりぎり15番手に入り、開幕戦バーレーンGP以来の突破を果たした。

 続くQ2、時間とともに路面コンディションが良くなるなか、角田は最後に2アタックを行なう予定だったが、ピット内でのFIA(国際自動車連盟)による車両の計量に手間取って1アタックへの変更を余儀なくされ、1分18秒099のベストタイムは10番手のアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)に0.338秒届かず。Q3進出はならなかった。
  角田はチームの公式サイトを通して、「良かったです。セッションを通してペースを上手く上げ、最大限のパフォーマンスを車から引き出しました。Q1は15番手とまずまずの順位で、ラップごとに進歩できました。続くQ2では、プッシュラップを2周行なう予定でしたが、残念ながら計量により、2周目は走ることができませんでした。フライングラップが1周だけだったことを考えれば、ラップだけでなく、チームによってパフォーマンスが上がったことを嬉しく思っています」と、予選を振り返っている。

 決勝については「楽しみです。ロングランのテストは全くしていませんが、ポイントを獲得するために、車の力を最大限引き出すことを目指します」と意気込みを明かした。また、彼はF1公式サイト『F1.com』では「今日のやれたことに対しては非常に満足しています。計量で2度のアタックができませんでした。これは理想的ではなく、コンディションも難しかったですが、それを乗り切ることができました」と語った。

 また、手間取ってしまった計量には、「フラストレーションが溜まりました。最初、軽量のための計測器にうまく乗れず、さらにおかしな状況になりました。これで、2アタックを行なうチャンスは台無しになってしまいました。それでも、僕は満足しています」と説明。そして、ポイント獲得に向けて「明らかに可能性はあります。特に、このコースでは我々の車は順調です。目標を達成できるよう、最適な準備をします」と自信を示している。 不運が角田を見舞ったものの、チームは今季初めて両ドライバーによるQ2進出に満足感を示しており、SNSで「豪州のコースで進化を遂げた」「両ドライバーともにナイスな予選だった」「我々のボーイたちによる力強いセッション」と賛辞。そして、テクニカルディレクターのジョディ・エッギントンは、「今日はQ3に進めるだけのペースはなかったが、ユウキは予選を上手くまとめ、12番手を獲得した。彼は最大限のパフォーマンスを発揮した」と、角田について言及した。

 オランダのF1専門サイト『GRAND PRIX RADIO』は、「アルファタウリは、今季初めて両ドライバーがQ2進出という予選のパフォーマンスに満足している。そして、ユウキは自身が成し遂げたことに大きな満足感を得た」とレポートした。

 そして、フランスのモータースポーツ専門サイト『Motorsport NEXTGEN-AUTO.com』は、「アルファタウリは、進化したフロアのおかげでQ2ダブルエントリーを果たした。12番手を喜んだ日本人ドライバーは、明らかな改善を見ており、これまでの仕事は高く評価できる」と、22歳に対して賛辞を贈っている。
  また、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「まだ予選Q3進出を果たせていないアルファタウリだが、豪州ではわずかに改善を見せた。チームが設定した目標からはまだほど遠いものの、メルボルンに持ち込まれたアップデートは実を結んだようだ。決勝では、とりわけ日本人ドライバーにとって、ポイントは明らかに手の届く位置にあるように見える。簡単ではないが、可能性は十分だ」と、決勝での好結果に期待を寄せた。

 初日はスピンを起こしたものの、その後は車の力を十分に引き出したうえで、今回もチームメイトに勝利した角田。そんな彼を、アルファタウリ代表のフランツ・トストは、ドイツの放送局『Sport1』で、「ユウキはこれまでの2レースで、常に力強いレースを見せた。私は彼に、非常に満足している。我々にまだ競争力がないのは、彼のせいではない」「ユウキは正しい道を歩んでおり、あらゆる点で改善している」と称賛している。

 そして、この若いドライバーの去就にも触れ、「彼は2024年も再びアルファタウリでドライブするべきだと思う。私が知る限り、セルジオ・ペレスはレッドブルとの契約を来季まで結んでいるが、2025年になれば、ユウキのレッドブル行きの準備がついに整うだろう」と、角田のキャリアにおける大きな目標のひとつである姉妹チーム昇格の可能性を示唆した。

構成●THE DIGEST編集部

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