現地時間4月30日(日本時間5月1日、日付は以下同)、ゴールデンステイト・ウォリアーズが敵地ゴールデン1・センターで行なわれたサクラメント・キングスとのプレーオフ・ファーストラウンド第7戦を120−100で制し、4勝3敗でシリーズを突破した。

 ウエスタン・カンファレンス第6シードでプレーオフを迎えた昨季王者は、第3シードのキングス相手に敵地で2連敗を喫するも、ホームのチェイス・センターで2連勝。さらに第5戦を敵地でモノにしたことで、3勝2敗と王手をかけた。

 しかしホームでの第6戦で相手の勢いに圧倒され、99−118で敗戦。逆王手をかけられてしまう。

 そんななかで迎えた勝負の第7戦は、ステフィン・カリーが世界中の話題をさらったと言っていいだろう。レギュラーシーズンも含めてキャリア最多となる38本ものショットを放ち、うち20本(成功率52.6%)を沈めた稀代のシューターは、50得点に8リバウンド、6アシストという超絶パフォーマンスを披露した。
  NBAプレーオフの1試合最多得点は、1986年にマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が叩き出した63得点。今年のファーストラウンドでは、マイアミ・ヒートのジミー・バトラーがミルウォーキー・バックスとの第4戦で歴代4位タイとなる56得点を奪ったが、シリーズを決する重要な第7戦においては、この日カリーがマークした50得点が史上最多得点記録となった。

 これには10年以上にわたって共闘してきたクレイ・トンプソンが「ステフ・カリーのゲームとして、一生忘れることのない第7戦になるだろうね」と語れば、ドレイモンド・グリーンも「間違いなく特別なものだと感じるね。俺はバスケットボールのファンでもあって、ファンとしてもすごく感謝している。チームメイトとしては、是非とも一緒に戦いへ行きたいと思えるヤツさ」と手放しで絶賛。

 ウォリアーズはカリーのほか、アンドリュー・ウィギンズが17得点、7リバウンド、トンプソンが16得点、5リバウンド、ケボン・ルーニーが11得点、21リバウンド、4アシスト、グリーンが8得点、6リバウンド、8アシスト、2スティールをマークし勝利に貢献した。
  キングスとの1回戦を突破したウォリアーズがカンファレンス・セミファイナルで対峙するのは、第2シードのメンフィス・グリズリーズを4勝2敗で撃破した第7シードのロサンゼルス・レイカーズ。

 レイカーズのレブロン・ジェームズは、キャリア20年目を迎えた38歳の大ベテランということもあり、シリーズ中にグリズリーズのディロン・ブルックスが「彼は年寄りだ」と発言。ウォリアーズに対しても、キングスのマリーク・モンクが第6戦の勝利後に「彼らはちょっと疲れていた。僕らは彼らより少しは若かったのさ。日曜(第7戦)も同じことをやってやるさ」と、“年寄り”呼ばわりしていたことも印象的だった。
  だが、レブロン率いるレイカーズはグリズリーズ、ウォリアーズはキングスという、いずれも新興勢力のチームを1回戦で撃破し、セカンドラウンドへ進出。

 結果として、カリー、トンプソン、グリーンというベテラン陣が中心のウォリアーズ、38歳のレブロンが依然として絶対的なリーダーを務めるレイカーズが勝利したこともあり、シリーズ終了後にグリーンは「俺たちのことを(過去のものとして)忘れ去ろうとはしないことだ。早すぎるからな。ブロン(レブロンの愛称)についてもそうだ」と、キングスとグリズリーズを牽制していた。

 “ベテラン健在”を示し、ともにアップセットでカンファレンス準決勝へと駒を進めたウォリアーズとレイカーズ。スーパースターが揃う見逃し厳禁の両軍の第1戦は、5月2日にウォリアーズの本拠地チェイス・センターで行なわれる。

文●秋山裕之(フリーライター)

  【PHOTO】38歳を迎えても未だ衰え知らず!NBAの“キング”レブロン・ジェームズ特集!