陸上の男子100m元日本記録保持者である桐生祥秀が5月6日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行なわれた第10回木南道孝記念陸上競技大会に出場。予選で今季最高となる10秒03をマークし、2組1着で決勝に進んだ。

 好スタートを切った桐生は、後半にスピードを上げると他を突き放しフィニッシュ。タイムは大会記録(10秒21)を大幅に更新する10秒03で、この記録に会場はドッと沸いた。桐生はタイムを確認すると自ら両手を叩いて喜んだ。

 決勝では、さらなる好記録が期待された桐生だったが、スタートでやや出遅れてしまう。中盤過ぎから加速するも、去年の世界陸上代表の坂井隆一郎に競り負けた。10秒12で優勝した坂井に対し、桐生は10秒26。それでも元日本記録保持者は清々しい表情で、冷静に結果を受け止めた。
  昨年6月の日本選手権後、休養を発表した桐生は9月に練習を再開した際に、国が指定する難病「潰瘍性大腸炎」を患っていることを告白。4月の織田記念では国内で約10か月ぶりとなる男子100mに挑み、決勝で10秒29をマークしていた。

 桐生はレース後に自身のツイッターを更新。「10秒03 数年ぶりに0台」と綴り、「走り終わってハリが足に出たのが久々で良いスピードだったってことかな。この大会の目的は達成したので満足」と記し、今大会で叩き出したタイムに手応えを感じた。

 この投稿に対し、ファンからは「おーすごい!」「鳥肌たちました!」「そろそろ9秒台見たい時期だね〜」「桐生ここに在り!」「やっぱさすがのMr.9秒台」と、久々の10秒0台を記録した桐生を称えるコメントが集まり、次のレースに向けてエールが送られた。

 復活への足掛かりを掴んだ日本短距離界の先駆者は、ここからどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。その動向に、今後も注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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