今季のゴールデンステイト・ウォリアーズはプレーオフのカンファレンス準決勝でロサンゼルス・レイカーズに敗れ、連覇の夢は叶わなかった。主力の1人であるドレイモンド・グリーンは一時代の終焉を指摘する声を否定したが、元NBA選手のケンドリック・パーキンスは、改めてウォリアーズ王朝の終わりを宣告している。

 ウォリアーズはスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が就任した2014−15シーズン以降、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、グリーンのビッグ3を中心に、ウエスタン・カンファレンスの熾烈な戦いの主役を担ってきた。

 2017年、18年にはケビン・デュラント(現フェニックス・サンズ)を加えた陣容で史上7チーム目となるリーグ2連覇を達成、5年連続でNBAファイナル進出(うち優勝3回)と黄金期を築き上げた。

 デュラント退団後はカリーやトンプソンの負傷もあって2年連続でプレーオフ進出を逃す時期もあったが、21−22シーズンに現体制で通算4回目の優勝を果たして迎えた今季、プレーオフ1回戦でサクラメント・キングスを4勝3敗で撃破するも、カンファレンス準決勝でレイカーズに2勝4敗で敗れ、連覇には手が届かなかった。
  敗退決定後、ファンのみならず、OB選手たちからもウォリアーズ王朝の終焉を指摘する声は少なくない。そのなかで、“当事者”であるグリーンは自身のポッドキャスト『Draymond Green Show』で、「ウォリアーズ王朝は終わったと言っている連中が多いが、19年にKD(デュラント)が去った時に(王朝が)終わったと言っていたヤツらと同じだ。そんなことはない。ずっと間違っている」と全面否定した。

 しかし、08年にボストン・セルティックスでケビン・ガーネット、ポール・ピアース、レイ・アレンのビッグ3とともにリーグ優勝を果たし、現在はNBAアナリストとして人気を博すパーキンスは、『ESPN』の番組『First Take』で「(王朝は)もう終わりだ。ドレイモンド・グリーンが何と言おうが、知ったこっちゃない」とグリーンの主張を一蹴した。

「理由を説明させてもらうと、残してきた実績は素晴らしいが、ウォリアーズはデュラントがいない状態でレブロンに勝っていないのが事実だ。16年以来そうじゃないかな。つまり、レブロンが彼らにとっての問題点なんだ。

 レブロンがウエスタン・カンファレスにいる限り、今のレベルでプレーし続けられる限り、そしてアンソニー・デイビスが衰えない限り、ウォリアーズはレイカーズの壁を越えないといけない。ウエスタン・カンファレンスのほかのチームもどんどん強くなっていくだろう」
  ウォリアーズとしては、ボブ・マイヤーズ・ゼネラルマネージャーと再契約するのか、33歳のトンプソンが延長契約する際に減俸を受け入れるか、今オフにプレーヤーオプションとなる33歳のグリーンにどのような対処をするのかなど、来季以降のチーム作りに向けて注目ポイントは多い。

 パーキンスは、2000年代にティム・ダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリのビッグ3で一時代を築いたサンアントニオ・スパーズを引き合いに出し、ウォリアーズ王朝の終焉を訴えている。
 「ステフィン・カリーがみんなのチャンプであることは知っているし、私たちが希望的観測を続けていることも知っている。みんな彼のことが大好きで、成功し続ける姿を見たいんだ。私も彼に成功してほしいが、スパーズのようにいいことには必ず終わりが来る。(ウォリアーズの)王朝は終わったんだ」

 果たして、ウォリアーズは世間の厳しい目をはね除け、再びタイトル獲得に邁進できるだろうか。

構成●ダンクシュート編集部

【PHOTO】プレーでもルックスでもファンを魅了!NBA史上最高のシューター、ステフィン・カリーの厳選ショット!

【PHOTO】38歳を迎えても未だ衰え知らず!NBAの“キング”レブロン・ジェームズ特集!