5月18日、卓球女子で五輪3大会連続メダル獲得の石川佳純が、都内で引退会見を開いた。

 2012年ロンドン五輪で日本代表に選出されると、シングルスで4位。福原愛、平野早矢とともに出場した団体では準決勝でシンガポールを破り、日本卓球界史上初のオリンピックでのメダル獲得を確定。決勝で中国に敗れたものの、初の銀メダルを獲得した。

 2016年リオ五輪では団体戦で全試合シングルスのみに出場し、1回戦から3位決定戦まで全勝。エースとして日本代表を牽引し、銅メダルを獲得。2021年の東京五輪は団体戦の主将として伊藤美誠、平野美宇らと銀メダルを手にした。

 石川は会見のなかで23年間の選手生活で最も印象に残った試合を質問されると、「ひとつにまとめられなくて…」と困り顔で話し出したが、「やっぱりひとつ目は、ロンドン五輪のメダル決定を決めた準決勝の日本対シンガポールの試合です」と日本卓球界の歴史に金字塔を打ち立てた試合を挙げた。「あのときはゾーンに入っていたぐらい調子も良かった。今でも思い出せるぐらい鮮明に覚えています」と興奮していた。

 加えて、「もうひとつは世界チャンピオンになった2017年のミックス。世界一になった試合は印象的でした。1対3で負けていて我慢、我慢の連続から、なんとかもぎ取った勝利でした」と世界選手権の混合ダブルス決勝で頂点に立った試合を振り返った。
  両親ともに元卓球選手という環境で育った石川。卓球が身近だった少女は、小学1年生で競技を始めた。そんな卓球という存在について「大きく成長させてもらった。卓球に育ててもらった」と言い、「卓球に夢中になった23年間でした」と感謝を述べた。

 東京五輪後は若手の台頭もあり、なかなか思うような結果を残せなかった。現役引退を決意したのは「今年3月のシンガポールの大会が終わった段階で、その時に次の2大会で最後にしようという決意を固めました」と説明し、「家族以外には伝えなかった」と明かした。23年間のアスリート人生について石川は「よく頑張れたかなって、ひとこと言います」と笑みを浮かべ、自分を労った。

 今後については「これまでは練習の時間がほとんどで、勉強する機会がなかったので勉強をしてみたい」と語り、「スポーツに関わる分野のほか、人に何かを伝えることは難しいと感じているので、それを学ぶことで成長できると思っています」と話した。

 卓球に全てを捧げた少女は今年で30歳を迎え、ついにラケットを置いた。「自分自身やりきったと思えたから、今日は晴れやかな気持ちです」と笑顔で答えた石川。次のステージでも、彼女らしい活躍を期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

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