四大大会「全仏オープン」の混合ダブルスで見事優勝を果たし、キャリアで初めてグランドスラムのタイトルを獲得した加藤未唯。いまや日本のみならず欧米でも“時のひと”となった印象だ。

 彼女の名を一躍有名にしたのは、女子ダブルス3回戦でのハプニングだった。加藤はアルディラ・スチアディ(インドネシア)と組み、マリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組と対戦。その第2セット第5ゲームで加藤が相手コート側へ軽くボールを打ち込んだところ、なんと打球がサービス用のボールを相手ペアに渡そうとスタンバイしていたボールガールの頭部を直撃してしまう。

 涙が止まらない少女。加藤は歩み寄って「大丈夫? わざとじゃないのよ」と語りかけて謝意を示したが、大会側は危険行為とみなして失格処分を言い渡した。主審は当初警告を言い渡したものの、対戦ペアが執拗に抗議したことを受け、スーパーバイザーとレフェリーも登場。協議を重ねた末に、賞金とポイントも没収される厳しい裁定が下されたのだ。

 選手仲間たちから加藤に同情の声が集まる一方で、ボウズコワとソリベストルモのスポーツマンシップが欠けた振る舞いには非難の声が相次いだ。さらに「私たちは悪くない」「ボールは2倍強かった」など反論を展開したため、炎上がエスカレート。ふたりのインスタグラムには合わせて3万件を超える批判コメントが届くに至った。

 そして混合ダブルスで優勝した直後、加藤はインスタを更新。状況を心配していたボールガールとの再会を果たし、プレゼントを贈ったことを報告した。「あなたが元気にボールガールとしてボランティア活動を続けていると聞いて嬉しく思います。本当にハッピーです。私が贈ったギフトも喜んでもらえればと思いますし、また会える日を楽しみにしています。幸運を祈っています!」と綴り、少女の肩を優しく抱く笑顔のツーショット写真を添えたのだ。

 この投稿を大々的に報じたのが海外メディア『Sportskeeda』で、「失格処分を受けたにも関わらず、カトウは優しくも品位ある行動でボールガールと対面した」と記し、SNS上で挙がっているファンの声を紹介している。
  当然、加藤の振る舞いを称えるコメントが大勢を占めるなか、同メディアはボウズコワとソリベストルモとの比較を展開する意見に目を向けた。

「カトウは素晴らしい! ボウズコワ&ソリベストルモとは品格に圧倒的な差がある」
「彼女はあらゆるレベルでボウズコワとソリベストルモを終わらせたわね」
「ボウズコワとソリベストルモは試合中あれだけボールガールのことを心配していたのに、どうして見舞いのひとつもしていないんだい?」
「結局はすべて、自分たちの哀れなビジネスのためだけにやった行動なんだよ」

 ほかにも、「ボールガールが元気で良かった。カトウを応援したくなったよ!」「ただのアクシデントだったのは明らか。優勝おめでとう。チリからハグを贈る」「プレゼントまで用意するなんて素敵」「あの日はふたりとも泣いていたけど、最後は笑顔で終われて最高だね」など、海外ファンからのさまざまな反応を掲載している。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】加藤未唯の球がボールガールの頭部を直撃…対戦ペアの抗議もあって失格処分となる一部始終

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