ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が現地6月9日、本拠地エンジェル・スタジアムでのシアトル・マリナーズ戦に2番・投手兼指名打者で先発出場。投げては5回3安打6三振6四死球と不安定な内容で3失点を喫し、チームは5-4で勝利したものの、大谷に勝利はつかなかった。一方、打っては17号同点2ランを含む4打数3安打2打点と大活躍。今季4度目となるサイクルヒット“王手”の猛打賞だった。
  大谷の投打にわたるパフォーマンスに、マリナーズの本拠地シアトルの地元メディア『The Seattle Times』も注目。ボブ・コンドッタ記者は「マリナーズは投手・大谷翔平との対戦はOKだが、打席の彼には苦戦した」との見出しを掲げ、「金曜の夜、大谷翔平は投手として不安定だったが、打者としてはより驚異的だった」と評した。

 その言葉通り、投手としての大谷は初回からピリッとせず、先頭打者に四球を与えると、4番のジャレッド・ケルニックにはライトスタンドへ運ばれ先制2ランを被弾。敵将スコット・セルヴェス監督は同メディアに「オオタニに対して投球数を増やすという点では、我々は本当に良い仕事をした」と語り、1回だけで31球を投げさせるなど、プラン通りの攻撃で大谷にプレッシャーを掛けることに成功したとしている。ただし、大谷も2回以降は立ち直り、「必要とされていたほど大きな数字を上げられなかった」と、思ったほど得点には繋げられなかったようだ。

 一方、打者の大谷には手痛い一発を浴びたマリナーズ。5回の2死一塁の場面で、先発のルイス・カスティーヨが初球に投じたチェンジアップが甘く入ると、フルスイングした大谷の打球は高々と舞い上がり、センターの茂みの奥へ着弾。440フィート(134メートル)の特大同点2ランとなった。

 この一発に同記者は「オオタニは(カスティーヨのチェンジアップに)だまされず、スイングしてボールを高く、遠く、深く飛ばした」と綴り、「オオタニの爆発はすぐに観衆からどよめきを引き起こし、カスティーヨも同じくらい早く諦めて肩を落とした」と、球場内の様子を伝えている。またホームランを打たれたカスティーヨは試合後、「彼はオオタニなんだ」と脱帽した様子で肩をすくめながら言ったという

 大谷の一発が流れを呼び込み、続く4回にはルイス・レンヒーフォのタイムリー安打で勝ち越し。残念ながら5回に再び追いつかれ、大谷の勝利は消えたが、7回にはミッキー・モニアックに決勝の2ランアーチが生まれ、マリナーズを突き放している。5連勝を飾ったエンジェルスは、マリナーズに3.5ゲーム差をつけ、ア・リーグ西地区の3位につけている。

構成●THE DIGEST編集部
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