新人王獲得も、いよいよ現実味を帯びてきたか。
　
　ニューヨーク・メッツの千賀滉大が現地９月20日、敵地でのマイアミ・マーリンズ戦に先発登板。６回を投げ（100球）７安打、２失点で８試合連続クォリティースタート（QS）を達成。チームも８対３で勝利を収め、千賀が今季12勝目（７敗）を飾った。

　３回までに打線から３点の援護をもらった千賀は、常にランナーを出す苦しいピッチングも得点を許さない。４回には、１死三塁から中犠飛により１点を失うが、その後は追加点を与えず、最後はウイニングショットのお化けフォークで空振り三振に斬って取った。

　この試合最大のピンチだったのが５回。先頭打者に中安打を許し、２番ジャズ・チザムにも右翼線に運ばれた。ここでライトを守るジェフ・マクニールがボールを素早く掴んで二塁に返球すると、進塁を狙ったランナーを二塁寸前でタッチアウト。なおも１死三塁とピンチが続いたが、次打者の打球は再びライトへ。ここもマクニールが捕球すると、本塁へ鬼返球。ランナーを本塁死させるスーパープレーが飛び出し、日本人右腕を助けた。
 　千賀は６回にカウント3-1から５球目の速球をジョシュ・ベルに左中間に弾き返されるソロ弾を浴びたが、失点は２点のみ。三振はわずか３個と少なかったが、先発としての役割を十分に全うし、この回を投げ切ったところで降板。防御率は2.96となり、この日KOされたジャスティン・スティール（シカゴ・カブス）を抜いてナ・リーグ２位に浮上した。

　この結果に、敏腕記者からも称賛の声が上がっている。米メディア『The Athletic』などに寄稿しているブレント・マグワイア記者は、千賀の降板後に自身のＸ（旧ツイッター）を更新。「先発投手（150イニング以上）で防御率が3点以下の投手は、この４人だけだ」とし、サンディエゴ・パドレスのブレイク・スネル（防御率2.33）、ニューヨーク・ヤンキースのゲリット・コール（同2.81）、ミネソタ・ツインズのソニー・グレイ（同2.84）とともに、千賀の名前を記載。新人ながら二桁勝利をマークし、その安定感ある投球に目を見張っている。

　メッツ打線は６回以降、毎回得点を重ね４本のホームランが飛び出すなど、10安打８得点で完勝し、このカードを勝ち越した。

構成●THE DIGEST編集部

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