桜の戦士たちと対峙する大一番に向け、盤石の完勝劇を披露した。

　現地９月30日、フランス・ナントにあるスタッド・ド・ラ・ボージョワールで「ラグビーワールドカップ（W杯）2023」の１次リーグ第３戦、アルゼンチン代表対チリ代表が行なわれ、アルゼンチンが59-5で大勝。しかもボーナスポイントを獲得しての勝利で、日本と同じ２勝１敗の勝点「９」で並んだ。
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　W杯史上初の南米対決となった一戦は、ロス・プーマス（アルゼンチン代表の愛称）の一方的な展開となった。前半９分に代表キャップ100試合目を飾ったアルゼンチンのスタンドオフ、ニコラス・サンチェスが先制トライを決めると、同13分にもサンチェスがペナルティゴールで追加点を奪うなど、チリを圧倒。前半を24−0で折り返す。

　後半もアルゼンチンの猛攻は変わらず、後半６分にはこの試合４つ目のトライを突き刺してボーナスポイントを獲得。大量リードを活かしたまま、ノーサイドを迎えた。　

　チリに54点差をつける大量得点で勝利を収めたアルゼンチンは得失点差が『+46』になり、『+14』の日本を上回りD組２位に浮上。現地10月８日にアルゼンチンと直接対決する日本は、勝たなければ決勝トーナメントに進出できない。
 　圧巻の強さをアピールした南米の雄には、海外メディアも賛辞を送る。世界中のあらゆるラグビー情報を発信している専門メディア『Rugby World』は「アルゼンチンがチリに快勝！準々決勝進出に向けて日本戦に弾みをつけた」と銘打った見出しで、アルゼンチンの完勝を速報。フィジカルを利した圧倒的な攻撃力に驚きを隠せない。

　同メディアは「マイケル・チェイカ率いるアルゼンチンは、南米の隣国チリをナントの陽光の中で撃破した」と報じると、１次リーグ最終戦に言及。「日本はサモアの逆転を阻止し、自国開催だった2019年の輝かしいスピリットを呼び覚ました。しかし、アルゼンチンはスタッド・ド・ラ・ボージョワールで組織的かつ躍動するプレーを見せたことで、ベスト８進出を確信したことだろう」と綴り、同じナントで迎える日本戦に勢いをつける大きな勝利だと指摘している。

　この試合を見守ったスペイン人のカルロス・ベルトラン記者は英公共放送局『BBC』の速報記事を引用しながら、「ロス・プーマスがラグビーW杯で準々決勝への望みを高めた。日本との決戦に十分すぎるほど、えげつない攻撃力でセットアップを完了した」と自身のX（旧ツイッター）に試合結果をレポート。残り１枠となったプールDの決勝トーナメント進出には「得失点差で優位に立ったアルゼンチンが有力」だと断言し、日本が１次リーグで敗退すると予想した。
　
　勝ったほうがベスト８への切符を得るシンプルな構図となったプールD最終戦。はたして、運命の大一番はどちらに軍配が上がるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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