F1最終戦のアブダビ・グランプ、アルファタウリの角田裕毅は8位フィニッシュ。惜しくもチームのチャンピオンシップ7位には3ポイント差で手が届かなかったが、自身は最後まで安定したドライビングを維持し、力強いバトルも展開して、ファン投票による「ドライバー・オブ・ザ・デイ」にも選定されるなど、素晴しい形でF1での3年目を締めくくった。

「なんというドライブ!」F1角田裕毅の激走に専門メディア&海外ファンも大興奮! “因縁”ハミルトンを追い抜き6位入賞【ブラジルGPスプリント】 今季限りで退任するチーム代表のフランツ・トストに好結果を捧げるべく力走を見せた角田に対しては、各国メディアは軒並み高評価を下している。イギリスのF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、10点満点の採点で「8.5」を日本人ドライバーに与え、寸評でも以下のように賛辞を贈っている。

「ユウキは、トスト代表の最後のレースで、相応しいプレゼントを贈り届けた。レース中のある時点ではトップに立った、史上2人目の日本人ドライバーに。アルファタウリは1ストップの賭けに打って出たが、これを選択した3人のドライバーの中では、角田だけがそれをポイント獲得に繋げられた。最終的に、チームをウィリアムズの上に押し上げることはできなかったが、彼にとっては素晴らしいシーズンの締めくくりとなった」

同じくイギリスのモータースポーツ専門サイト『CRASH』は、なんと満点の「10」! 完璧なシーズンを完璧な形で終えたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をも上回る単独最高採点で、「この週末の主役は角田だった。予選では6番手に入り、決勝では力強くポイント獲得を果たした。1ストップ戦略は上手くいかなかったが、最終ラップではルイス・ハミルトン(メルセデス)の追い上げをしのぎ切ることに成功した」と称賛した。

『Race Fans』は採点こそ「8」に止めたものの、こちらも寸評は「これはユウキのF1キャリアにおいて最高の週末だったのではないだろうか?」と非常にポジティブな内容で始まり、それは最後まで続いている。

「土曜日に自己最高の予選結果を出し、日曜日はF1で初めてトップを走り、メルセデス(ハミルトン)よりも前で堅実にポイントを獲得するまで、戦略がベストではなかったにもかかわらず、素晴らしいパフォーマンスを発揮した。しかも、チームのチャンピオンシップ7位という目標達成に向けて結果を出さなければならないというプレッシャーがあった中で、だ。このように可能性を示したからこそ、レッドブルは彼を4年目も起用するのだ」

『MOTORSPORT WEEK』は、「AT04のアップデートを受けての今週末、レースでは1ストップ戦略の賭けの中で、角田は先頭集団にしっかりと食らいつき、F1では初めて5周にわたってトップを走った。タイヤの摩耗が原因で終盤に力を落とし、ウィリアムズを逆転できるだけのポイントを獲得することは叶わなかった。それでも、彼は『後悔はない』と語り、トスト代表の退任を前に見事なパフォーマンスを見せたことを、誇りに思っている」と綴り、採点は「8.5」を付与した。
 『TOTAL MOTORSPORT』は「アブダビの週末、角田はスターのひとりだった。アルファタウリをグリッドの3列目に並べ、レースでも素晴らしい走りを披露。それには、短い期間ながら、トップを走る場面も含まれていた」、また同国のスポーツ専門サイト『sportskeeda』も「ユウキにとっての素晴らしい週末。予選では見事なパフォーマンスを見せ、レースでも素晴らしい結果を収め、それによってアルファタウリはあと一歩でウィリアムズから7位の座を奪うところまで迫った」とそれぞれ綴り、どちらも採点は「8.5」となっている。
  同採点としたスペインのF1専門サイト『F1i.com』は、「レース後には、ファン投票によるF1公式の『ドライバー・オブ・ザ・デイ』として称賛された。そこまで良かったとは思わないが、それでも彼のF1での3シーズンにおいて、最高のドライビングだったことは間違いない。特に、アルファタウリの7位争いのためにもポイントが必要という状況で、力を発揮したことは素晴らしかった」と角田を褒め称え、その週末をポジティブに振り返った。

「金曜日はあまり目立たなかったものの、フリー走行3回目でトップ10(9番手)に入り、予選ではQ3に進出して素晴らしい6番手を獲得。もし、レースでそのポジションを維持できれば、チームの目標を達成できると思われたが、残念ながら、ライバルたちを抑え切るのは難しかった。しかしレース中、5周にわたってレースをリードしましたのは素晴らしかった。シーズンの締めくくりとしては、悪くない結果だったと言えよう」

 最後に、イギリスのモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、今回もランキング形式でドライバーを評価しており、角田はフェルスタッペンに次ぐ「2位」にランクイン。「アルファタウリのフロアがアップグレードされ、リアの安定性が少し改善されると、角田は素晴らしいパフォーマンスを発揮した」との総括とともに、以下のように評された。

「彼はミディアムタイヤを長く持たせる戦略で、1ストップのレースを完遂(同じコンパウンドでスタートした他のドライバーよりも長く持たせた)。その戦略が原因で、最後にフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)に抜かれたが、チャンピオンシップ7位に必要な順位(6位)に留まるまでのペースは、AT04にはなかった。しかし彼自身は、シーズンを好調な状態で締めくくった」

構成●THE DIGEST編集部

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