日本男子代表の挑戦はベスト8で幕を閉じた。

 現地2月22日、韓国・釜山で開催中の世界卓球選手権・団体戦は準々決勝が行なわれ、日本男子代表は王者・中国と対戦。世界ランキング2位の日本は松島輝空、張本智和、篠塚大登のトリオで臨み、同1位・中国が誇る樊振東、王楚琴、馬龍の最強布陣に挑んだ。それぞれが健闘をみせたものの、終わってみれば0−3のストレート負けで後塵を拝した。

 その中国戦でセンセーションを巻き起こしたのが、1番手で登場したチーム最年少の16歳・松島だった。今大会で初の日本代表入りを果たした超逸材が、個人世界ランキング1位の樊振東と対峙。なんといきなり第1ゲームを13対11の逆転で先取する驚きをもたらし、会場を熱狂させた。

 続く第2ゲーム、第3ゲームもデュースに持ち込む大接戦を演じたが、どちらも最後は突き放されて10対12で落としてしまう。第4ゲームでは松島のスタイルに慣れてきた樊振東に完全にペースを握られ、6対11で力尽きた。

 とはいえ、王国・中国に与えたインパクトは絶大だったようだ。グループステージから松島のハイパフォーマンスに注目していたスポーツポータルサイト『捜狐体育』は第1ゲームが終了した時点で「(松島は)怪物じゃないか!」と驚愕。「勢いに乗っている選手だとは思っていたが、ここまで勇敢で大胆に戦うとは想像していなかった。樊振東を凌駕している!」と続けた。

 さらに同メディアは「最終的に松島は1−3で力負けしたが、日本の新たな天才がプレッシャーを感じることなく存分に戦い抜き、樊振東に冷や汗をかかせたのだから大したものだ。特に第1ゲーム終盤、猛烈な追い上げからの逆転にはビックリさせられた」と称賛した。
  スポーツメディア『新浪体育』も賛辞を惜しまない。松島の強みが「強烈なひねり」と「高度なブロック技術」にあると指摘し、「情報が少なかったとはいえ、樊振東はのっけから困難に直面していた。松島はどんな球でも全力で打ち返し、失敗をまるで恐れない。まさに武士道戦法で、張本に似たタイプだ」と記した。

 そして同メディアは「今後も中国の脅威となりうる選手だけに警戒と研究が必要だ」と説きつつ、最後にリアルな評価も書き添えている。「ただ終盤になると、徐々に順応した樊振東に主導権をがっちりと掌握されていた。第4ゲームの松島は勢いを削がれて、少し沈んだ印象さえ受けた。膨らんだ風船はすぐにしぼんでしまうものだ」と独特の言い回しで表現した。

構成●THE DIGEST編集部

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