昨季は意外な健闘でプレーオフ進出を果たしたマーリンズが苦しんでいる。ホームでの開幕2カードはいずれもホームでパイレーツ、エンジェルス相手にいきなり7連敗。舞台にセントルイスに移した4月5日(現地)も、カーディナルスに逆転負けを喫して開幕8連敗となってしまった。

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 これを受け、早くも不穏な噂が飛び交っている。過去2年連続で首位打者を獲得しているルイス・アライズ、昨季ブレイクしたエース左腕ヘスス・ルザードなど主力選手をトレードで放出するのではないか? というものだ。

 若手が多く活躍しているイメージが強いマーリンズだが、実は現在のファーム組織は決して充実しているとは言えない状況にある。アライズらの放出で将来有望なマイナーリーガーを複数獲得し、ファーム組織再建につなげる、というシナリオは確かに考えられる。

 そもそも、オーナーのブルース・シャーマンは勝利よりも健全経営(言い換えれば金儲け)を優先する人物。これまでも、ヤンキースでキャプテンとして活躍したデレク・ジーターCEO、史上初の女性GMキム・アンと総年俸の引き上げをめぐって衝突し、袂を分かってきた「前歴」がある。 また、昨年11月に就任したピーター・ベンディクスGMは緊縮財政下のレイズで手腕を発揮してきた人物。レイズと同じように「カネを使わずに勝つ」路線をさらに推し進めよう……オーナーが考えてもまったく不思議はない。

『ジ・アスレティック』によると、すでにオフシーズンの段階からパドレスがアライズ、ルザードの獲得を申し込んでいたという。この時は首を縦に振らなかったマーリンズだが、このまま低空飛行が続けば、主力放出で一気に再建モードへ以降する可能性は高くなっていくだろう。

 本拠地ローンデポ・パークは昨年のWBCで決勝の舞台となり、オフにはカリビアン・シリーズも開催され大いに盛り上がった。だが、肝心のマーリンズの試合では常に閑古鳥......という悲しい状況は今後もしばらく変わらないのだろうか。

構成●SLUGGER編集部

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