NBA選手の間には数々の因縁が存在するが、ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)とユスフ・ヌルキッチ(フェニックス・サンズ)は今季急速に関係を悪化させた2人だ。昨年12月の乱闘騒動以降、口撃合戦が続くなかで、新たなやりとりが繰り広げられている。

 確執の発端となったのは、2023年12月12日(日本時間13日)に行なわれたウォリアーズ対サンズ戦でのワンシーンだ。グリーンがポジション争いをしていたヌルキッチの顔を殴打し、ヌルキッチはコート上に転倒。グリーンはフレイグラントファウル2で退場処分となり、リーグから無期限の出場停止処分が科されるなど大きな反響を呼んだ。

 ヌルキッチはグリーンとの揉み合い後、「首を絞められなくて良かった。彼は腕を振り回している。僕たちはそういった光景をよく見てきたと思う。彼が人生で抱えている何かが良くなることを願っているよ」と、グリーンに対して皮肉めいたコメントを残していた。

 それから約2か月ぶりの“再戦”となった2月10日の直接対決でも両者は激しくマッチアップ。互いに睨み合う場面もあり、試合後にはヌルキッチが「残念だ。結局、彼は何も学んでいない。また誰かを殴るのも時間の問題だ。彼はチャンスを与えられる資格はない」と語れば、グリーンも「あれでは良いディフェンダーにはなれない。俺より30kg近く体重があるのにゴール下への侵入を許した。もっと注意して守らないといけない」と応戦した。
  グリーンは自身のポッドキャスト番組『The Draymond Green Show』でも、ヌルキッチを「臆病者」「300ポンド(約136kg)のソフティー(軟弱者)」と嘲笑。

 サンズがプレーオフ1回戦でミネソタ・ティンバーウルブズにスウィープ負けを喫した際には、「ビッグ・ソフティー(軟弱な大男)は俺たちが負けた後に(「これで終わりだ」の意である「That's all folks」と書かれた)画像をポストした。自分が成功していない時、そして人に嫌味を言ったり非難したりしている時こそ、気をつけないといけない。成否は自分だけでコントロールできるものではないからね」と、チクリとやり返した。

 さらに、グリーンはTNTの番組『Inside the NBA』に出演した際、殿堂入り選手のチャールズ・バークレーがウルブズのルディ・ゴベアやカール・アンソニー・タウンズらビッグマンの実力を過小評価していた旨の発言をすると、「サンズにはビッグマンがいない。KD(ケビン・デュラント)がサンズのビッグマンだ」と、間接的にヌルキッチの存在を無視するような見解を述べたのだ。

 同じく殿堂入り選手のシャキール・オニールは、「サンズにはビッグマンが1人もいないだって?」と否定していたが、ヌルキッチは自身のXで「彼はいまだに助けが必要だと思う。いまだにだ。(グリーンと元同僚の)KDはドレイモンドが好きじゃない」と応戦し、2人の「Beef(喧嘩)」に新たな一幕が刻まれた。

 すでにグリーンとヌルキッチの今シーズンは終了しているが、来季を迎えるまでさらなる舌戦が繰り広げられるかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

「残念ながらこれで終わりだ」グリーンが1回戦敗退のヌルキッチに“お返し”「大口を叩いても、最終的に結果には影響を与えられない」<DUNKSHOOT>