マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)とコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)は、“史上最高の選手”の1人として同じカテゴリーで語られることが多い。プレースタイルからメンタル面まで共通点も多かったことで知られる2人だが、両者とチームメイトになった経験を持つ元NBA選手のジョン・サリーが、当時を振り返り“違い”を証言している。

 ジョーダンは言わずと知れたNBA界のレジェンドだ。歴代トップのキャリア平均30.1点、リーグ優勝とファイナルMVP各6回、オールNBA1stチーム選出10回、オールディフェンシブ1stチーム選出9回、得点王10回、スティール王3回など、攻守とも史上最強クラスを誇る。

 その正統後継者のコビーは、強い憧れからあらゆる部分でジョーダンを模倣。通算得点はジョーダンを上回る歴代4位(3万3643得点)、リーグ優勝5回、ファイナルMVP2回、オールNBA1stチーム選出11回、オールディフェンシブ1stチーム選出9回、得点王2回など、堂々たる成績を残している。同じシューティングガードで得点力に優れ、抜群の勝負強さも兼備していたとあって、コート上での振る舞いはまさに瓜二つだった。

 ただ、キャラクターに関しては違いがあったようだ。“バッドボーイズ”時代のデトロイト・ピストンズの一員であり、1995−96シーズン途中にブルズ、1999−2000シーズンにレイカーズでプレーしたサリーは、ギルバート・アリナスのポッドキャスト番組『Gil's Arena』に出演した際、自身の経験を基にジョーダンとコビーついて語った。
 「シカゴにいた時はビートルズやエルビス(プレスリー)、マイケル・ジャクソン、ローマ法王と一緒にいたようだった。ブルズ時代、ニューヨークのプラザ(マンハッタンにある高級ホテル)に泊まった時、みんなは彼がディナーに出掛けると言っていた。私は部屋から出ないと言ったよ。冗談だろ? プラザに行くのにどれだけ時間がかかったと思ってるんだ、とね。

 今となっては当たり前のことだけど、(機体の)中央にバーがある飛行機なんてクレイジーだった。マイケルのセキュリティはよく彼のプライベートジェットで移動していたし、私たちの飛行機で出くわすこともあった」

 一方のコビーは、サリーとチームメイトだった当時は21歳の若手だったこともあり、「一緒に夕食に行く」ことも多かったという。

「(カジュアルダイニングレストランの)TGIフライデーズに行ったこともある。『コビーだ!』なんて騒ぐ人は誰もいなかった。彼はまだ当時20歳そこそこだったからね。そこから彼は成長して、唯一無二の存在になった。マイケルは、チームメイトになった時には知っての通り、すでに“殿下”だったよ」

 サリーいわく、チームの環境もジョーダンの存在により、ブルズの方が整っていたという。

「マイケルやコビーは、永遠に続く若々しさを持っていた。そこに大きな違いはない。ただブルズにはマッサージセラピスト3人、トレーニング用のプール、トレーナー4人にストレングスコーチがいた。レイカーズはブルズよりお金をかけていなかった。私がレイカーズに連れて行ったマッサージセラピストをクビにした。フィル(ジャクソンHC)と話したけど、私の言ったことを理解してくれなかったんだ」

 レジェンド2人と共闘経験があるサリーの証言に、出演者も興味津々の様子だった。

構成●ダンクシュート編集部

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