オリンピックの舞台に立つ後輩たちに喝を入れた。

 女子バレーボールのネーションズリーグ予選ラウンド第3週は6月16日、北九州市の西日本総合展示場で行なわれ、パリ五輪の出場権を獲得した日本代表(世界ランク7位)はアメリカ代表(同5位)と対戦し、セットカウント0‐3(15‐25、18‐25、24‐26)のストレート負けを喫した。通算成績を8勝4敗とし、予選ラウンドを終えたチームは20日からタイのバンコクで開催される決勝ラウンドに臨む。

 日本はストレート勝ちすれば世界ランク5位に浮上するチャンスだったが、東京五輪で金メダルに輝いた強豪との実力差は歴然だった。

 第1、2セットとも相手の強打に加え、レシーブでもボールをつながれ連続得点を献上し、あっという間に連取される。日本は第3セットに選手交代を含めて戦術を変えて修正を図り、アメリカの猛打に食らい付く。

 だがこのセットも終盤に逆転を許し、先にマッチポイントを握られる苦しい展開だったが和田由紀子、石川真佑らが4連続得点を挙げる活躍で同点に追い付く。デュースに持ち込む日本の粘り強さに会場は大きく沸き上がったが、反撃もここまで。最後は相手のスパイクが日本コートに叩き込まれると、会場からため息が漏れた。
  ホーム最終戦を白星で飾れなかった日本女子。2012年ロンドン五輪で日本の銅メダルに貢献し、歴代最高セッターとの呼び声が高い竹下佳江氏はテレビ中継の解説者として、この試合を間近で観戦していた。同氏は試合後、開幕まで約1か月を切ったパリ五輪に向けて「収穫と課題をオリンピックまでにやってほしい」と、後輩たちに厳しくも温かいメッセージを送っている。

 竹下氏がアメリカ戦で感じた収穫点としては、2セットを簡単に連取された後の日本チームの修正力だった。「3セット目は(セッターの)関菜々巳が左右にトスを上げて(攻撃を)修正した」と指摘し、第2セットのスタートから出場した関が相手の守備をかく乱するようにボールを散らして古賀の強打、ときには和田の速攻を引き出していたと言及。「オリンピックに向けて、試合中に修正できたのは良かった」と語り、劣勢になった場面での修正力は「本番にもつながる」と評価していた。

 また、前日のセルビア戦でチーム最多の17得点を挙げる活躍を見せた石川のスパイクには「強弱をつけながら打っていた」と注目し、世界最高峰リーグのイタリアで研鑽を積む24歳の若手エースの確かな成長に目を見張っていた。

 ただし、序盤からアメリカに終始ペースを握られていた点、日本のオフェンスの特徴であるレシーブからのいい攻撃を逆に相手にされてしまったことを課題に挙げ、「ぜひこの経験を本番までに活かしてほしい」と、後輩たちにエールを送った。

 アメリカ戦の結果により、日本は世界ランク7位が確定した。12年ぶりのメダル奪還を目指すパリ五輪の1次リーグ組み合わせ抽選(6月19日)は第3ポット(6位〜8位)に回り、組によっては世界ランク1位〜5位の強豪国と2度対戦する可能性がある。

構成●THE DIGEST編集部

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